20 彼が煙草を吸う時は ページ20
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「五十嵐さん、パス〜」
「は、はい!」
「お、ナイス〜!」
球技大会当日、クラスの皆は優勝商品である"食堂無料券"を手に入れようと頑張っている。
私のチームも例外ではなく、皆頑張っており、着々と勝ち進めていた。冒頭の様に、パスを回されて焦りまくることもしばしばあるが、何とかアウトにしないよう努力した。
見事勝利を収めることができ、試合が終わって気を抜いていると、外へと繋がる体育館のドアの隙間から見知った背中を見つけた。
センラ何してるんだろ?
あまり使われることがないドアのところにしゃがんでいるらしく、不思議に思って彼の元に向かってみることにした。それに、試合頑張ってることも言いたかったし。
「センラ〜、、、ってなにしてんの!?」
「あ、佑月さん、」
行ってみたら、ドアの前でヤンキーのようにしゃがんで煙草を吸っていた。センラが煙草を吸ってるの見るのなんて久しぶりで、なにかあったのだろうか?
前に彼が、嫌なことあると煙草吸ってまうんですよね、と言っていた。何かあったに違いない。
「学校で煙草吸っちゃダメでしょ!バレたらどうすんの!」
「いいんですぅ、どうせ裏口入学だし。どうせ24のオッサンヤクザだし。」
唇を尖らせて、拗ねたようにそう言うセンラ。いつの間にか、膝を抱えて座っており、そこに顔をうずめてモゴモゴ喋っていた。いかにも機嫌が悪そうだ。
「何、機嫌悪いの?」
「佑月さんはご機嫌ですね。」
「うん、試合めっちゃ勝ってるもん。」
「楽しいですか?」
「まぁ、前よりかわ全然楽しい。」
「ふーん、」
眉を下げてしょんぼりしたような、つまんなさそうな顔をして拗ねているセンラ。何に拗ねているのかわかんないし、前は私の成長はすごく喜んでくれたのに、今日は話しても興味が無さそうに聞くだけ。
何も言わず、そばに居たけど機嫌が良くなる兆しはなさそうだし、1人にしておこうと思って、じゃあ行くね、と声をかける。
「残りも頑張りましょうね、」
最後にセンラはそう言った。拗ねたように言っているから、心のないことを言っているのは明白で、何を思っているかは分からない。
なんか私しちゃったかな...?
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あるじゃん(プロフ) - あいさん» あいさんご無沙汰いたしております。暖かいコメントありがとうございます、嬉しい限りです泣 長らくお待たせいたしましたが、今後ともよろしくお願いいたします!更新頑張ります。 (2021年4月11日 13時) (レス) id: 2f7ed6fc05 (このIDを非表示/違反報告)
あい - おかえりなさい!!これからも更新頑張ってください! (2021年4月10日 18時) (レス) id: dad9695123 (このIDを非表示/違反報告)
みね - 更新、頑張って下さい!めっちゃ楽しみです!!! (2020年7月30日 23時) (レス) id: 2329b8e021 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬(プロフ) - コメント失礼します…!!私が昔から読んでいた少女漫画と内容がそっくりで、めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年6月29日 7時) (レス) id: 29052aa6a9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 本当ですか…?良かったです…文才足りんと悩んでいたので… (2020年5月13日 21時) (レス) id: b5c026bc9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あるじゃん | 作成日時:2019年11月25日 0時