番犬くんのセンラさん

11 行動力って結構大事 ページ11

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｢佑月〜！私、バスケ部入った〜！｣



理恵にそう告げられたのは、入学から少し経って、皆が高校生活に慣れ始めた頃。唐突な報告に驚いて、私は目を見開いた。



｢ウチらの高校のバスケ部って、荒れてるって聞いてたけど大丈夫なの...?｣

｢うん、昨年今年辺りから全然そんな事ないんだって〜｣

｢へぇ、そうなんだ。｣



言葉の通り、私達の通う保江高校のバスケ部は代々荒れていることで有名なのだ。試合中の野蛮なプレイや部員の度が過ぎる行動など、情報に疎い私ですら知っているのだから、相当なものだったのだろう。




｢すっごいイケメン先輩がいてね、バスケしてるところとか本当にかっこいいの〜！｣

｢へぇ〜！...でも、理恵バスケなんてやったことあった？｣

｢学校の授業でちょっとかじったぐらいだったけど、以外にセンスある事に気づいたの。｣



____す、すごい。


運動神経が抜群に良い彼女だから言えることだし、行動力にも驚かされる。


ずば抜けたイケメンがいると聞いて軽く体験にいったところ、バスケ部の方々にセンスを見込まれ、入部したという。動機が不純なところもあるけれど、社交的な彼女なら上手くやって行けるだろう。


でも私には絶対無理だなぁ。




理恵のあらゆる面に終始驚かされながらも、こんな事を聞かれた。


｢今度時間あったら、佑月もバスケ部見に来てよ！そのイケメンな先輩のかっこいいところも見て欲しいし。｣

｢え、私なんかが行っていいの？邪魔にならない？｣

｢大丈夫だよ〜。たまにギャラリー居ることあるし、先輩達も連れてきたら喜ぶから。｣

｢...うん、じゃあ今度行こうかな。｣



少し迷ったが、イケメンな先輩というのも見てみたいし、理恵のバスケをしている姿も見てみたいものだから見学に行くことにした。



差し入れとか持っていこうかな。








期待を膨らませて、私は頬を緩ませた。

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