潜入捜査官やまだ(×ym) (ページ14)

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薄暗い公園で、

『月～～が～～きれ～い～～♪』

呑気に歌を歌う男。

彼は、潜入捜査先の学校の教頭先生だ。

そんな教頭にひっそりと忍び寄る影……

『家に帰った～ら～～、ん？なんだ、君たちは…』

『……目障りだから潰すね？おっさん。』

黒のヘルメットを被った集団が教頭の周りを囲み始め、くすくすを笑う。

そして、

『？！や、やめろ…！私が、！私が、何をしたって言うんだ…！！！！』

『そういうのがうぜーんだ、よっ！！』

怯える教頭の頭上目掛けて

金属バットが振り下ろされ…

『っ、？！』

「残念。今回は尾行に気付けなかったみたいだな～？優等生くん。笑」

そうなところを、

なんと有岡さんの手によって止められた。

「高木！教頭を避難！」

「チッ、もうやってる！」

「山田！！」

「んー、よっ！！たぁっ！！ごめんね、痛いと思うけど……こっちは大丈夫です！有岡さん！」

『な、！』

「つーことで、残るは主犯の君だけだ♪」

『っ、』

援護のため呼んでいた他の警官と、高木くんの力を借りたことで、

思いの外早く周りのオヤジ狩り犯を捕まえることが出来た。

状況は一変し、主犯である優等生くんも、焦りの表情を見せる。

「どうして…オヤジ狩りなんてしたの…？」

きっと、理由がある。

そう信じて問いかけると、

優等生くんは長い沈黙のあと、小さな声で話し始めた…

『…お前、確か転校生だったよな…なんでこんなことしてんだよお前こそ……』

「まずは、質問に答えて……」

『……転校生に……分かるわけないだろ……あの学校の闇が………』

「え…？」

「高木！後ろ！！」

「っ？！」

優等生くんの言葉に気を取られていた俺は、急いで高木くんの方を振り返ると、

『ふんっ…！！』

教頭先生が金属バットを振り上げていた。

「？！高木くん避けて！！」

「っ、！！

っぶねぇ………！！なにすんだよジジィ！！」

『はぁはぁ…！君たちこそ、なんなんだ一体！！』

間一髪で高木くんはバットを避けたけど

教頭先生は興奮状態に陥ったまま、まだ金属バットを構えている。

「ど、どうしたんだ…教頭……」

「教頭先生、落ち着いてください…俺たちはあなたを助けに……」

『く、くだらん！！こんな夜遅くに学生が束になってこんな、こんな夜遊びを…！！！！』

「っ、教頭先生……」

『…よく分かったろ？転校生…』