モテ男の名にかけて ページ6
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いつか絶対照れさせようと思ってんねん、と零すと、角名が思い切り引いた顔をした。わかりにくいが、あれは確実に引いている顔だ。
治はかぶりついているパンに夢中で、銀はあからさまに関わりたくなさそうにあらぬ方向を向いている。しかし角名は「双子にツッコんでたまるか」を信条としているから、気の毒なことに結局銀が口を開くことになる。治は論外だ。
「別に不思議やないやろ、朝原さんみたいな子がおっても」
昼休み、がやがやと騒がしい中で、銀はごくまっとうな意見を言った。その通りなんやけど、なあ。弁当箱の中のレタスを箸でつつく。
でも俺のことイケメンって言っとったやん。
「朝原さん、距離感ガバガバやねん。そういうの危ないでー、って俺が教えてやらんと」
そしたら懲りるやろ、と今は空っぽの隣席に目をやる。例の友達とどこかで昼飯を食べているのか、昼休みはいつも彼女の姿が見えない。
「大義名分はいいから。本音は？」
角名が胡乱げな目でこちらを見つめる。
「このままなんて俺の矜恃が許さへん」
「ああ、色男の名が廃る的な……？」
「ほんま人格ぽんこつやな」
いつか女に刺されそうやな、背後には気ぃつけやと治が物騒なことを言う。しかし、当たり前のことが突然当たり前じゃなくなったら気持ち悪いやん、ある日部活から帰ったら飯が用意されてへんかったみたいなもんやで？ と言い返すと一気に神妙な顔になった。
「せやな、せやったらしゃあないわ」
「俺は治の将来が心配や……」
銀の言葉に角名が同意した。俺もそう思う。
「じゃあ朝原さんって相当可愛いの？ 全然記憶にないけど」
「何が『じゃあ』なん？」
「侑くんは絶対面食い、という名言を残した守屋さんという人がいてね」
「まぁた言っとるん、それ」
もう何度もその言葉を繰り返している、もはや顔なじみとなったクラスメイトの顔が脳裏をよぎった。
あいつも俺に媚を売らないどころか意識しすらしないが、頭のねじが数本ふっとんでいるとしか思えないような一途さで俺以外を追いかけているやつなので例外だ。そういう意味で二人は似て非なるものだし、十分おかしな女と出会ったと思っていたのにその上を行く存在が現れたのだから、俺が朝原さんをこんなにも意識しているのはそういう理由もあるのかもしれない。
「俺去年同じクラスやったけど、いつも本読んどるからまともに顔見た覚えないなあ」
「え、銀、マジなん？」
「食いつきっぷり……」
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せなけいこ - この夢主ちゃんの性格も、少女漫画のヒロインな宮侑もめっちゃ好きです！この作品を生んでくれてありがとうございます。性癖に刺さりまくりです！！ (2020年9月18日 15時) (
レス) id: ef980343e4 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - mimiさん» お返事が遅れてすみません！色々考えたのですが、本編はここで終わりにします。しかし私としても書きたいネタがまだたくさんあるので、そのうち別作品と纏めて短編集を出そうかと…。なので、気長に待ってくださると嬉しいです。 (2020年3月5日 1時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - さかきさん» ただ私がこの主人公もミヤツムも好きなので続いて欲しいっていう我儘なのですが…（ ; ; ）もし続きを書こうか少しでも考えてらっしゃるならぜひ見たいです…！ (2020年3月2日 3時) (レス) id: 4447061f23 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - mimiさん» 初めまして、まず初めにご愛読ありがとうございます。ごめんなさい、話数の問題で断念したんですが、やっぱり終わりにしては歯切れが悪いですよね…！？もう少し何とかできないか検討してみます！ (2020年3月2日 0時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - はじめまして。こちらずっときゅんきゅんしながら読ませて頂いてました…！最後、終わりとなってますが完結なのでしょうか（ ; ; ）続きを楽しみにしてたので… (2020年3月1日 14時) (レス) id: 4447061f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかき | 作成日時：2019年9月24日 23時
