四人寄れば文殊の知恵 ページ25
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そんなに劇的なものではなかったと思う。朝原さんの真意が掴めないまま次の朝が来て、宣言通りに席替えがあって。俺と朝原さんの席は教室内で一番と言っていいほど離れ、今隣の席に座っているのは彼女と正反対の派手な女子だ。
所詮、緩やかな変化だ。我がクラスの担任は定期的とまではいかないが学期に数回席替えをするらしく、いつか隣席でなくなってしまうのは必然だったわけだ。
しかし、それが俺にとって大問題なのだ。かしましく話しかけてくる隣席の女子を適当にいなしつつ、密かにため息をつく。
明らかに避けられている。もちろん、朝原さんに。それは俺にとって納得しがたいことであり、不可解なことであり、また単純に悲しいことでもあった。
朝の挨拶をすれば目を合わせないままボソボソと返し、廊下では俺とすれ違わないようやけに足早になる。俺がなにかしてしまったのならともかく、心当たりなどひとつも無い。おかしい。
第一、「期待しちゃだめだから」とか「思ったより欲張りだった」とか、あれらはどう意味なのだろう。
それが分かったら苦労はしない。見当もつかないから、俺はバレー以外ではめったに使わない頭をフル回転させているわけだ。
「おい、……おい！アホツム！」
「うおっ」
ぺちん、と頭を叩かれて、初めて目の前の存在に気づく。どうやら昼飯時らしい。通りで隣の声が聞こえなくなっていたわけだ、どこかに昼食を取りに行ったのだろう。
銀は心配そうに、治と角名は呆れたように、それぞれ俺を見下ろしていた。どうやら俺の頭をはたいたのは治らしい。
「侑、調子悪いん？」
「ぼーっとしとっただけやで、大丈夫」
「気にせんでええで銀、こいつ昨日の夜からずーっとこんなやねん。ほっとき」
がたがたと机を動かして、いつも通り弁当を食べる。朝原さんの姿は教室にない。いつもどこで誰と食べているのだろう。昨日までは気にもしなかったのに、今では無性に気になる。
「……フラれた？アサハラさんに」
角名が脈絡もなくそんなことを言うものだから、俺は咀嚼していた玉子焼きで噎せた。
「な、ななな何言うてんねん！」
「慌てすぎ、言葉のあやじゃん」
「……そういや、席替えあってから話しとらんよな？ちゅうか、朝原さんが侑を避けとるように見えた」
銀は朝原さんと席が比較的近く、彼女が俺を避ける様を見ていたらしい。
ええい、この際だ。一人では解決できそうにもない。俺は経緯を三人にぶちまけた。
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せなけいこ - この夢主ちゃんの性格も、少女漫画のヒロインな宮侑もめっちゃ好きです！この作品を生んでくれてありがとうございます。性癖に刺さりまくりです！！ (2020年9月18日 15時) (
レス) id: ef980343e4 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - mimiさん» お返事が遅れてすみません！色々考えたのですが、本編はここで終わりにします。しかし私としても書きたいネタがまだたくさんあるので、そのうち別作品と纏めて短編集を出そうかと…。なので、気長に待ってくださると嬉しいです。 (2020年3月5日 1時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - さかきさん» ただ私がこの主人公もミヤツムも好きなので続いて欲しいっていう我儘なのですが…（ ; ; ）もし続きを書こうか少しでも考えてらっしゃるならぜひ見たいです…！ (2020年3月2日 3時) (レス) id: 4447061f23 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - mimiさん» 初めまして、まず初めにご愛読ありがとうございます。ごめんなさい、話数の問題で断念したんですが、やっぱり終わりにしては歯切れが悪いですよね…！？もう少し何とかできないか検討してみます！ (2020年3月2日 0時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - はじめまして。こちらずっときゅんきゅんしながら読ませて頂いてました…！最後、終わりとなってますが完結なのでしょうか（ ; ; ）続きを楽しみにしてたので… (2020年3月1日 14時) (レス) id: 4447061f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかき | 作成日時：2019年9月24日 23時
