髪型でだいぶ変わるんです ページ22
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「あー！」
朝練後、教室に駆け込んだ直後だった。今日も今日とて静かに読書をしている隣席の彼女を見て、俺は思わず悲鳴を上げた。
「どしたん、その髪！」
「え？……ああ」
朝原さんはしばしきょとんとした後、自身の髪に手を伸ばした。彼女の胸ほどまでに伸びた髪の毛は、いつもとは違っておさげにされていた。
「最近暑いから。似合う？」
二つ結びをそれぞれの手で持って、ぴょこんとはねさせてみせる。なんやそれ、可愛い。
「よう見たら前髪も変えとるん？」
「うん。ついでだからと思って。と言っても、横に流しただけなんだけど」
朝原さんと隣席になって、二カ月と半分ほどが経った。確かに最近は蒸し暑くなってきている。いつも前髪でおおわれていた額がやけに涼しげだった。
「めっちゃ似合う！可愛いで」
「ありがとう」
なんだか照れるね、と。俺は耳を疑った。が、彼女は確かにそう言ってのけたのだ。
「待って。照れた？照れるん、朝原さん」
「え、うん。え？そんなに困惑するようなこと？」
まじかー、と頭を抱えた。最近は単純に朝原さんと過ごすのが楽しくて忘れていたが、そういえば当初の目的は「朝原さんを照れさせること」だったのだ。思いもよらないところでそれを達成してしまった。
「照れるよ、だって宮だし」
……それはどういう意味だろうか。俺が特別だと勘違いしてしまうような言動はやめていただきたい。いや、朝原さんにとって貴重な男友達である点では間違いなく特別なのだが。そういう話ではないのだ、やはり朝原さんは危なっかしい。
「……あー、せやね！？やっぱし暑いな今日！？もー、朝練の時点で汗かいてもうて大変やったわー！」
話を逸らそうとしたはいいが、俺は壊滅的にごまかすのが下手だった。どのくらいかというと、プリンを盗み食いしているところを治に見られて、それを頬張ったまま「食ってへん！」と言い放つほどだ。
しかし、朝原さんは基本的に俺の奇行を気にしない。良くも悪くもおっとりしているのだ。
「そうだね、この時期はじっとりしてて大変。あ、そうだ」
何を思いついたのか、ぽんと手を打った朝原さんは俺に着席を促した。素直に席に座ると、ヘアピンと櫛を持ってにじり寄ってくる。
「ちょ、何するん！？」
「いいからいいから」
どこか楽しそうに、朝原さんは俺の髪をいじっていく。数分後、手渡された鏡を覗き込むと、バッチリヘアアレンジを施された自分がいた。
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せなけいこ - この夢主ちゃんの性格も、少女漫画のヒロインな宮侑もめっちゃ好きです！この作品を生んでくれてありがとうございます。性癖に刺さりまくりです！！ (2020年9月18日 15時) (
レス) id: ef980343e4 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - mimiさん» お返事が遅れてすみません！色々考えたのですが、本編はここで終わりにします。しかし私としても書きたいネタがまだたくさんあるので、そのうち別作品と纏めて短編集を出そうかと…。なので、気長に待ってくださると嬉しいです。 (2020年3月5日 1時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - さかきさん» ただ私がこの主人公もミヤツムも好きなので続いて欲しいっていう我儘なのですが…（ ; ; ）もし続きを書こうか少しでも考えてらっしゃるならぜひ見たいです…！ (2020年3月2日 3時) (レス) id: 4447061f23 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - mimiさん» 初めまして、まず初めにご愛読ありがとうございます。ごめんなさい、話数の問題で断念したんですが、やっぱり終わりにしては歯切れが悪いですよね…！？もう少し何とかできないか検討してみます！ (2020年3月2日 0時) (レス) id: d263cbf7f6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - はじめまして。こちらずっときゅんきゅんしながら読ませて頂いてました…！最後、終わりとなってますが完結なのでしょうか（ ; ; ）続きを楽しみにしてたので… (2020年3月1日 14時) (レス) id: 4447061f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかき | 作成日時：2019年9月24日 23時
