さんじゅうさん ページ33
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「不死川さん、不死川さん!!」
背後から自分を呼ぶ声がきこえて眉をひそめながら振り返った。
案の定、その声の主は炭治郎で。
「なんか用かァ?」
「用も何も!!」
少し怒りを含んだ声で不死川がそう言えば、更に怒りのこもった声が返ってきた。
「Aが他の家で暮らすことになったなんて……」
「お前には関係ねェよ!」
「ありますよ!」
炭治郎はズイッと不死川に顔を近付けてそう叫んだ。
いつもの不死川ならそこで一発くれてやる所だが、そんな気分にもなれず溜息をつく。
「…悪かったなァ、何も伝えなくてよォ」
そんな不死川の様子に、炭治郎も落ち着きを取り戻した。
そして炭治郎は、この人も随分と参っているのだと思った。
「どうして行かせちゃったんですか?離れたくなかったんでしょう?」
「んなもん、アイツの幸せの為に決まってんだろ。鬼殺隊はいつ死ぬかわからねぇんだ。アイツには、居場所を失くして欲しくねェ」
今頃、Aは麻凰の元で笑っていることだろう。
更に自分のことを忘れていたら万々歳だ。
不死川はそんな風に思い
それを察した炭治郎は、堪らなくなって拳を握りしめる。
二人共、優し過ぎたのだ。
お互いを想った結果、離れ離れになってしまった。
どちらか一方が、もう少し我儘だったなら。
そんなことを思いながら、炭治郎は苦し紛れに口を開く。
「俺は………それでも、二人に一緒にいて欲しかった。二人に幸せでいて欲しかった」
だって今の不死川さん、とても苦しそうな顔をしているから。
炭治郎は最後にそう言うと、来た道を引き返し、駆けていったのだった。
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にゃんこ - 完結おめでとうございます!すてきな世界ですね!無主ちゃんも口がたっしゃに……(おばあちゃんみたいですね)。新作見ました!面白いです! (2020年1月6日 18時) (レス) id: be5a9b4de5 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 完結おめでとうございます!まおうさん良い人で良かった! 実弥と夢主さん一緒にいられる結末で良かったです(*´ω`*)個人的に炭治郎も出てきてくれて嬉しかったです♪ (2019年12月18日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
カボスプレス(プロフ) - 優しい世界ですね...ホワホワしました。いたいのとんでけ のところで思わず一緒に泣いてしまって(*´-`*) ほかのお話も読みに行きます! (2019年11月16日 11時) (レス) id: dccf658439 (このIDを非表示/違反報告)
カズハ(プロフ) - 泣きました…不死川夫婦お幸せに…まおうさんにも幸せになってほしい… (2019年11月5日 19時) (レス) id: 082d86be6d (このIDを非表示/違反報告)
よる - 面白そうだなって読んでみたらあなたの新作読んでました笑笑。それにしても、婚約者ええやつやな… (2019年10月27日 22時) (レス) id: bbe87bcae1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年10月21日 17時