【不死川実弥】風柱、少女を拾う。

し ページ4

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(コイツは妹、そうだ妹だ。ちょっと大きくなった妹……)


不死川は、心の中で念仏を唱えるようにそう繰り返していた。

一人で少女を風呂に入らせるのは危険だ。
そう判断実弥は、意を決して少女の身体や髪を洗ってやることにしたのだ。


「おい、目に泡入んねェようにしろよォ」


少女がぎゅっと目を瞑ったのを確認した不死川が、お湯で彼女の髪の泡を洗い流す。


「……綺麗な髪してんじゃねェか」


泡と共に血や汚れが落ち、美しい黒い髪が現れる。
その後、顔や身体も洗ってやれば、少女の肌は真っ白になった。

しかし、そこには無数の傷や痣が痛々しく残っている。


「お前、何があったんだよ」


彼女を浴槽に入れてからボソリと不死川が呟けば、少女が不思議そうな表情で彼を見上げた。


「んー？」


その瞳は純粋無垢で、穢れを知らないようだった。
翡翠色のあまりに濁りない目に、不死川は思わず目を逸らす。


ぶくぶくぶく。


そんな音が聞こえ慌てて視線を戻せば、少女はまたお湯の中に沈んでいた。


「ばッ!!おま、何してんだよ！」


不死川が手を伸ばそうとすれば、少女がキャッキャと笑いながらお湯から顔を出す。


(俺を笑わせようとしたのか……？)


ニコニコと無邪気に笑い続ける少女に、不死川はフッと目を細めた。


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