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第16話 ページ18

第2次試験をクリアしたAたちは、続く第3次試験会場に向けて飛行船で星空の中を飛んでいた。

ネテロの挨拶、ビーンズからの説明が終わり各自自由に時間を過ごすことになった。


「よしゴン
 飛行船の中探検しようぜ!」


「うん!
 Aも行こうよ!」


『私はパース』


「なんでだよ!」


『ゆっくり休みたい』


「対して疲れてねーくせに」


「まあまあ
 A、ゆっくり休んでね」


『うん
 ありがとうゴン』


「ちぇ」


『キルアも、ちゃんと休みなよー』


「へーへー」


駆けていく2人の背中を見送り、シャワー室でも探すかと歩き出した時


「A、少しいいか?」


『?
 うん、いいよ?』


Aを引き止めたクラピカは、部屋を出てから人のいない窓際のソファに腰掛けた。
促されるまま隣に座ったAはそれでどうしたの?と聞く。


「...1次試験の時、君が私に言った言葉を覚えているか?」


『1次で?

 ...あ
 もしかして“似てる“って言ったこと?』


「ああ、そうだ

 あの言葉が頭から離れなくてな
 何を思って似てると思ったんだ?」


『...頭から離れなっていうのは、自分の中で思い当たることがあったんじゃないの?』


「!
 それは...」


Aのその言葉に口を閉ざしたクラピカ。


『あはは
 ごめんごめん、意地が悪かったね

 うーん、そうだなぁ
 私が似てるなぁ、って思ったところは2つかな』


「2つ...」


『うん
 でも聞いてて楽しいものじゃないと思うよ
 
 特にクラピカにとっては』


「かまわない
 私から聞いたことだ

 話してくれないか?」


Aは思案したのち、目の前の美しい景色を見ながら話し始めた。


『一つ目は孤独』


「...」


恐らく、その一言のみで今から話されるであろう内容をクラピカは理解しただろう。
しかし決して言葉をかぶせるようなことはせず、黙ってAの話に耳を傾け続ける。


『同胞を失い孤独になった貴方と
 自分が何者なのかわからない私を被せたの

 居場所も帰る場所も大切な人も失った貴方と
 何もわからない何も知らない私

 全く違うのに
 それなのに貴方と近しい何かを感じた』


「あぁ...」


『言葉にできない寂しさと虚しさとやるせなさが、そこにある気がした


 ...明確な意思を持った憤りも』


「!」

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設定タグ:HUNTER×HUNTER , ハンターハンター , キルア   
作品ジャンル:アニメ
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SHINKAI(プロフ) - 蒼さん» ありがとうございます!そう言って頂けるとすごく嬉しいです!これからも作品をよろしくお願いします! (2022年8月31日 0時) (レス) id: 9829dd467f (このIDを非表示/違反報告)
- HUNTER×HUNTERの世界観にあった文章でサクサク読み進めることが出来ました。とても面白かったです! (2022年8月30日 23時) (レス) @page48 id: 1c5f686e4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINKAI | 作成日時:2022年2月11日 4時

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