番外編.真選組でのとある一日(前編) ページ8
夏。蒸し蒸しとした暑さの根源である太陽の方を睨みつける。といっても、屯所内のため太陽など見えないが。
敷地内にいるのだろうか。絶えなまく泣き続ける蝉をつぶ……撃破してやりたくなる衝動を抑えながら、副長の部屋の前へ辿り着く。
…こんなときに、犬の餌なんて食ってないだろうな？
「失礼致します。副長、こちらの書類の確認お願いします。」
「おう、わりぃないつも。…まぁ、確認するまでもなくお前の書類なら完璧だろ。」
ペラペラと捲られ、重力に従いながら落ちていく紙を眺める。確かに私は書類でミスをしたことは無いが、そう信用されるとミスがあったときのことを想定してしまい、不安になる。
全て捲り終えると、机に書類を置き私に振り返りいう。
「見回りは総悟や原田たちが行ってるし、今日はもう好きにしていいぞ。」
突然貰えた休暇に驚く。いつもならばこの後も沖田さんのためた書類などを片付けるが、今日はないのだろうか？まぁ、せっかく休みを貰えたのだし、満喫してやろう。
「あ、はい。ありがとうございます。また必要であれば呼んでください。屯所にいるので。」
「お前ほんと屯所好きだな。行きたいところとかねぇのか？」
「……暑いのは苦手なので。」
「この暑さじゃ、外でも中でも変わんねぇ気がするけどな。」
この通り、真選組にはまともな冷房機器がないわけで、非番の隊士も多くが外に出払い、どこかの店で涼むという、店にとってはとても邪魔な客と化しているのだ。
私も他の隊士と同じく涼みに行きたいところだが、私の場合、そもそも外に出るのが嫌なのである。…太陽は敵だ。
ちなみに、こんな中でも局長は新八君の姉、お妙さんのところに行っているらしい。
他の女性に目移りしないその心は素晴らしいが、真選組のトップとしてストーカー行為はやめて欲しい…。夕方になったら回収しに行こう。
話も終わり、副長の部屋を出て自室に向かう。すると、ちょうど誰かが帰ってきたようで、ガラガラ、と入口の開く音がした。
「おお、Aさんじゃねぇですかィ。今から外出で？」
「沖田さんでしたか。私は部屋に戻ろうと…あれ、今日は原田さんと見回りだったのでは？」
「あぁ、涼みたいってコンビニ入ってったんで置いてきやした。」
小さなイタズラのようにしか感じないが、実際、この暑い中を歩いて帰って来るのは地獄の所業だろう。さすが沖田さん。こんな日でもドSはご健在なようで…。
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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (
レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます！Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります！ (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです！飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、！！応援してます！これからも頑張ってください！ (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…！！しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね！ (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです！更新頑張ってね！！ (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：飽 | 作成日時：2019年8月11日 18時
