彼と過ごした一週間【銀魂】

3.勧誘 ページ4

「海賊、ですか？」


「うん。海賊。」


当たり前のように、先と変わらぬ笑顔で彼は言った。いや、なんかもうちょっと説明ないの？突然言われて入るやつがあるか。と脳内でツッコミをかます。


そもそも真選組といういわば悪者を取り締まる組織に身を置くものが、海賊などという『THE 犯罪者集団』に入るとでも思うのか。


私は今も真選組の服を着ている。海賊といえど、真選組の組織ぐらいは知っているだろう。


「…貴方はここが海の上とでも言いたいんですか？」


私が戦っていた場所は港から離れた場所。私が何時間寝ていたかは分からないが、さすがに港まで行けるほどの時間はないだろう。


だとするとここは彼の家なのか。ベッドがあるあたり寝室なのだろうが、この部屋には人が生活する上で最低限のものしか置いていない…。


など、自分なりに考察してみるものの、彼の一言でその考察が無駄だったことを知らされる。


「海の上っていうか、空だね。俺ら、宇宙海賊だからさ。」


腹立たしいほどのニコニコとした表情で言葉を紡ぐ。え？宇宙海賊？
…これが誘拐だという可能性が高くなってきた。というか誘拐だ。
とりあえず下手にでて安全を確保しつつ、現状把握をしよう、と思い彼に話しかける。


「あの、もう少し説明が欲しいのですが…。貴方の名前とか、海賊のこととか…。」


「あぁ、俺は神威。宇宙海賊春雨の第七師団団長だよ。」


『宇宙海賊春雨』
彼が平然と言ってのけたそれは、宇宙の海賊などに詳しくない私でさえ知っている大組織だ。
私が聞いた話では、宇宙の数多の犯罪集団が集まる組織ということらしい。
しかし、一応正義の味方的立場にいる私の敵であることには変わりない。


「で、さっきの返事はどうなの？海賊にならない？」


「…あの、真選組って知ってます？」


「あぁ、なんだっけ。地球のおまわりさんとかいう？」


それが分かっててなぜ犯罪組織に招待するんだ。この組織、団長がこれで大丈夫なのだろうか…。

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