22.疑い ページ27
Hijikata.side
「だから、何も知らないって言ってるアルゥゥゥウウ!!」
屯所へと帰ってくると、聞き覚えのある高い声がきこえてきた。
何事かと声の聞こえた方へと向かうと、そこには、中庭の木に縛りつけられたチャイナ娘と、総悟を含む複数人の隊士が。
「…おい総悟、なにやってんだ?」
流石のドSもここまで来るとまずい、止めなければと思ったが、どうやらそういう雰囲気ではない。
すると、俺に気づいたチャイナ娘が大声で叫ぶ。
「トシィ!助けるアル!」
「誰がトシだ!!」
「…土方さん、邪魔しないでくだせェ。俺ァ、こいつを粛清しねェとならねェんでさァ。」
全く話が読めない。が、いつもの喧嘩とは違うということは分かる。
そこで、隊士の一人が口を開く。
「数日前のあの事件のとき、Aさんが攫われているところを目撃した隊士がいまして…。その隊士によると、攫ったやつがこのチャイナ娘だったらしく…。」
聞いたところで話が理解できなかった。
こいつがAを…?なんでだ?
普段、別に中は良好だったし、互いを嫌う素振りなんて見せたこともなかった。
「ほら、はやくAさんの居所を吐きやがれィ」
謎の違和感。隊士が嘘をついているとも思わないし、チャイナ娘がそんなことをするやつだとも思わねェ。
「ちょ、ちょっと待つアル!Aが攫われたってどういうことアルか!?」
「…は?…まて、総悟。お前こいつにちゃんと説明したのか?」
「こいつさっきから『知ってることを全部話せ』としか言ってないアル」
「取り調べ下手かァ!」
珍しく総悟にしてはまじめな雰囲気だと思い黙っていたら、このザマだ。
まぁでも、相当焦っている、というのが大きいんだろう。俺だって現に自分が今やるべきことをやれているかだなんて、わかりやしねェ。
「違いまさァ、土方さん。隊士からの話によれば、こんくれェのピンク髪ってんで、そんなやつ、こいつぐらいしかいやせんぜ。」
確かに俺もこのチャイナ娘ほどの髪の色のやつはほとんど見た事ない。それに、あの崖で人を攫うなんて、相当の身体能力がなければ無理だろう。
と、疑念を感じていると、再びチャイナ娘が口を開いた。
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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります! (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです!飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、!!応援してます!これからも頑張ってください! (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…!!しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね! (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです!更新頑張ってね!! (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飽 | 作成日時:2019年8月11日 18時