三代目死神が愛した＿＿。6【名探偵コナン×暗殺教室】

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　ここ、全員が味方だって知らないの降谷さんだけだね。なんか1人だけ緊張の最前線にいるみたいでかわいそう……っていうか、申し訳ない。私が正体を隠したいからこうなってるんだから、全部私のせいだ。

　木村は私達がいるのに気付いていない。
　風見さんと飲みに来ているということは、なんらかの情報交換……もしくは単純に交友を深めるため。どちらにしても、飲みの席だから何か口走りそうで少し怖いな。
　早い内に店を出た方が良さそう。

　そう懸念し、バーボンに店を出ようと声を掛けようとした時、木村たちの会話が耳に入ってきた。大きな声というわけじゃないが、お店は結構静かだったので、普通の声量でも聞こえてしまう。


「そういえば、キュラソーって見つ」
「うん？ 何のことだ？ 先に注文しよう、何飲む？」
「あ、えーっと……」


　あっ……手遅れ……。

　木村がキュラソーの名を口にしたことで、バーボンが固まった。目には影が落ち、顔色は伺えない。
　けど多分、なぜ木村がキュラソーを知っているのか、風見が情報を漏らしたのか、木村は風見を公安だと知っているのか、盛永詩ことベイリーズの繋がりはどうなっている、木村と組織の関係性は、木村が組織側についていた場合……とかその辺りまで考えているだろう。
　たったワンフレーズでこれだけの仮説が浮かび上がるんだから、情報って侮れないよな。
　店出た後100％木村の話振られるじゃん。風見さんも問い詰められるだろうし。


「俺普段居酒屋なんで、こういうとろあんまり来ないんですよね」
「そ、そうか。やっぱ今からでも居酒屋にするか？」
「いや、ジン飲んでみたいのでここでいいですよ。Aがいつも一番最初に飲むお酒らしくて、気になってたんですよね」


　くッぁ……！
　木村ぁぁぁああ、ちょっと黙れ！ 風見さん黙らせろっ！ 頼む！
　私の情報流さないで！？

　待て待て待て、バーボンは私が1番最初にジンを飲むということはもう知っているはず。
　A＝ベイリーズという仮説は思考の隅に置かれただろう。
　ジンは王道な蒸留酒だ。1番最初に飲むことをルーティーンにしている人なんて他にもいる。確証に至らすことはない。でも……。

　Aの存在を降谷さんに知られた。

　まずい。




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