三代目死神が愛した＿＿。6【名探偵コナン×暗殺教室】

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コナンside


　数コールしてAさんが電話に出た。

　電話に出るまでの間、公安の刑事さんと木村刑事もクレーン車の運転手について聞いていたが、遺体が見つからないということを聞いて驚いていた。2人もどこかでその様子を見ていたんだろう。反応からして逃げたところは見ていないようだけど……。


『はいっ』
「あ、詩さん、キュラソーって組織に戻った？」


　そう聞くとAさんは黙り込んでしまった。
　どうしたんだ？
　灰原もキュラソーの話だと聞いて、俺の携帯に耳を近付けてきた。

　しばらく待つと、Aさんは盛永詩としてではなく防衛省の殺崎Aさんとして答えた。


『キュラソーは死んだ。クレーン車を運転してたのがキュラソーだよ』
「でも遺体が見つからないんだ」
『は？ 遺体がない？』
『キュラソーが生きてるのか？』


　電話越しに赤井さんの声まで聞こえた。今一緒にいるのか。
　風の音はしないし、エンジン音がする。恐らく車。帰宅中か。


『私、キュラソーがクレーン車に乗ってからずっと見てたけど、逃げ出したとこは見てないよ？ あ、でも運転席が潰れた時死角が多かった……』
『でも死角は俺たちのいる側だろう？ ボウヤもクレーン車を見ていたが……』
「反射してて運転席内は見れなかったけど、周囲はちゃんと見れてたよ。誰かが出てくる様子はなかった。灰原は？」
「私も見てたけど、衝撃でゴンドラがグラついて、一瞬だけ目を離してたわ。でも本当に一瞬だし、逃げ出したようには……」


　どう考えても逃げ出すには難しい状況だった。しかも見てたのは俺達だけじゃなく公安の刑事さんや木村刑事もだ。複数人が見てたというのに、誰1人として逃げ出した影も見れなかったのか？
　爆発ですべてが吹き飛んだ可能性は、逃げ出した可能性より断然低い。
　生きてるのか……？


『生死は一度置いておいて、組織に戻ってくることはないよ』
「え、どうして？」
『ジンは観覧車への銃撃の時に殺したと思ってる。キュラソーが戻ってきてもジンが許さないと思うよ。ラムがどう判断するかによるけど……』


　そっか……。それなら警察庁から盗まれたデータが組織に知られることはない……。
　もしくはそれをネタに戻るか？

　……いや、最後の最後で子ども達を助けた人だ。組織には戻らない気がする。




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