…だったのに【ポケモン剣盾】

いつも 癪に障る ページ40

目が合うも





何か悪いことをしている訳でもないのに

目を見られず逸らしてしまう









今だけはその綺麗な瞳を見たくなかった





「A、どうしたの？」





直ぐに口の端を上げ

大丈夫だと答える





『そういやタクシーは

２人乗りだったような気がするなぁって思ってた』





誰かにお願いすれば乗せてくれると思うから

別に大丈夫なのだけれどね









「なら先にアニキと帰っとって」





いや待ってマリィ

一緒に帰りたいと言った本人が言う言葉じゃないし

今はネズさんと一緒にしないで欲しい





「急にどうしたんですか」

「買い物を思い出したけんね」





買い物なら付き合うとネズさんも私も言うが

内緒にしたいからダメと言われ

しかもそのまま行ってしまった









しばしの沈黙









「うちに来ません？紅茶でも淹れましょう」





言葉が出ない代わりに

頷くことで答える





自分でも意味がわからない

ネズさんと居る事を拒みたい筈なのに

首は縦に動いた





タクシーが来ても

スパイクタウンに着いても









会話を交わすことをはなかった

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





以前と変わりない美味しい紅茶を一口飲み

また口を紡ぐ





ゾロアークは元の姿に戻り

私の顔を覗き込んではどうしたのかと問いてくる

本当のことも、嘘を言うこともできず

曖昧に微笑むだけだった





「こんな事を言うのは癪に障りますが」





本当に癪に障るのか

眉間にしわがよっている





「キバナは世に言う顔の良い部類の人です

スタイルも性格も女性には人気があります

彼奴と関係を持ちたい人は山程いる」





何を言いたいのだろう









「だからと言ってなんでもして良い訳じゃねぇです

そんなに傷付き、怒りを覚えるのなら

平手打ちの一つや二つ

かましてやれば良かったじゃないですか」





怒りは分かるとして









傷付いたのか…私は

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