…だったのに【ポケモン剣盾】

いつも 手当 ページ21

明日





挑むと言ったが

もう今日になってしまった

無事に全てのポケモンを返せたから良かったけれど





朝日がもうすぐで昇りそうだ









「朝帰りとは、随分と夜遊びが好きなんですね」





ゾロアークのイリュージョンによって姿は見えない

しかし今回もお兄さんにはバレてしまった

ヒールを履いている訳でもないから

そんなに足音は聞こえないはずなのに





『素敵なお嬢さんが居たのでナンパしていました

貴方はお仕事帰りですか？』





姿は見えないはずなのに

お兄さんと私の目は合っていた





「そんなとこです」

『お疲れ様です、では失礼しますね』





少し距離を置き

家に帰るべく横を通ろうと足を進めると









「待ちやがれ」





制止の声と共に腕を掴まれた

勿論イリュージョンは解けてしまい









お兄さんの瞳に傷だらけの私が映る





「来たばかりで大した道具もないでしょう

俺の家へ、手当します」





それだけ言うと腕を掴んだまま

一度歩いたことのある道を進む









ユニフォーム姿については何も聞かれなかった

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





手際良く手当され

私の体はガーゼや包帯だらけになってしまった





『すみません…ありがとうございます』





手当が終わってもやはり何も聞かれない

伊達メガネと帽子を取り、髪を解く





『何時から気付いていたのですか』





紅茶を受け取ると

少し笑いながら言われる





「最初からです、声ですぐわかりました」

『低めにしていたのにですか？』

「そんなの俺には意味ねぇですよ」





お兄さんにならバレても支障ないから良いけれど

なんだかなぁ





『お前もありがとう』





ゾロアークの頬にキスをしたあとうんと抱きしめる









「あとそれですよ」

『え？』





自身の頬を指さしながら





「バトルが終わったら

必ずゾロアークにキスするじゃねぇですか」





え、待ってください





『それ、モニターに映っていたのですか？』





頷くお兄さんに少し頭を抱えた

全然知らなかったし





そしてふと









お兄さんにまた借りが出来てしまったと思った

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