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Emerald Mist_3 ページ31

会社を辞め、フリーへと転身したことで、
余程の心境の変化があったのだろうか、などと、自分に言い聞かせていたのだが、
複雑な心情で、ちらりとAを見つめるも、
彼女は何も言わず静かに歩を進めるだけで。



『…あんまり言いたくないけど、
やっぱり、思い出しちゃうでしょ』



しばらくゆっくり駅への道を歩いていた2人だが、
ポツリと呟いたA。
隣を歩く彼女に視線を落とすと、
その表情はふわりと柔らかいもので、萩原は不覚にも小さく動揺した。



『襲われた、あの夜のこと。
近くに住んでれば、…時々やっぱり思い出しちゃうから。』

「…月島」

『貴方にも、そうやって気にして欲しくないし。
…だから、心機一転、よ。』


その後、Aは口を開かず、
ただ黙って駅までの道を萩原と歩いていた。


米花駅に着けば、
緑台に住む萩原と、杯戸町へ帰るAは逆方向だ。
同じ電車に乗ることはなく、改札前でAと別れた萩原は、
コンビニに行くフリをして駅を出て行った。


歩いて帰りたい気分なのだ。


上手く思考が整理出来なかった、駅までの道。
素直に言葉を零してくるようになったAに、
萩原はただ、戸惑っていた。

かと言って、軽々しく距離を縮めることも、
Aに対しては何故か、やはり難しいのだ。

そして、自分を拒絶するような素振りを見せなかった彼女に、
複雑な表情でため息を零し、
ゆっくりと、緑台の自宅へと歩いていった。

Liar→←Emerald Mist_2



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設定タグ:名探偵コナン , 萩原研二 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - なーこさん» またまた嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます。どうにも回りくどく書いてしまう癖があるのですが、そう言って頂けて本当に嬉しいです。由紀さんの登場はRain執筆中からの計画でした (笑) 次回作は未定ですが、今後もご愛読頂けましたら幸いです。 (2019年12月20日 16時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
なーこ(プロフ) - 完結おめでとうございます´`*会社の為、隠忍自重する夢主が時折見せる弱さや脆さに萩原さんの言葉が染みて溢れ出すのを繊細に描いていたのが読んでいてじわっときました...。そして由紀ちゃんの登場は嬉しすぎるサプライズです!(笑)また次の作品も楽しみにしてます*。 (2019年12月20日 0時) (レス) id: e08e419bfb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2019年12月12日 17時

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