弁護を担うもの_3 ページ38
『話してくれて、ありがとうございました。
あとは、貴方の罪をしっかり償ってください。
そして…もし、あの店長を訴えるのであれば、お力になります。弁護士として。』
木本に力強い目を向ける葵。
会話に集中して百面相を続けていた神山も、
あわあわっとメモを閉じて立ち上がり、
葵に続いて留置場をあとにした。
3度目の面会で、真実を引き出した。
3度目の正直…?ってやつか?
などと考えながら、
隣に並んで歩く葵に目を向ける神山。
1度目は完全中立の立場で表情を崩さず冷静な態度。
2度目は弁護を引き受けると伝え、完全に相手の味方という態度。
そして、今日、3度目は、手元の情報を整理して推察した結果を元に、話を引き出すように時には感情を交えつつ会話を進めた葵。
全ては作戦だった、んだろうか。
時折見せた表情も?
考え込むような神山に、
『なに難しい顔してるの?
本当のことが分かって、良かったじゃない。これで、正しく裁かれるはずよ。』
と少しすっきりしたような、やや複雑そうな顔で答える葵。
その横に並び、彼女はなぜ弁護士を目指したのだろうか、
神山はそんなことをふと考えながら、
事務所への帰路についた。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月1日 21時