バックヤード_3 ページ31
その後、レジを担当していたもう一人の店員に話を聞くと、
どうやら木本は高卒という理由から、良くない待遇を受けていたことが分かった。
何度かバックヤードでひどく怒鳴られているのを耳にしたそうだ。
大きな物音を聞いたという話も。
翌日、改めて他の店員にも話を聞くと、
似たような話を聞くことが出来た。
辞めた理由は分からないが、おそらくそういう待遇に耐えられなかったのだろうと、ある店員は話してくれた。
『少しずつだけど、分かってきたわね。でも、自白を強要されたと訴え始めた理由を含めて、単なる推測の域を超えないわ。後は、本人からちゃんと話を聞ければ…』
「…そうですね。」
今日も葵に同行している神山が答える。
他の案件も抱えてはいるものの、ここまで関わったこの事件にはとことん関わりたいと、本人の意向もあった。
他の人物からの話はあくまで、木本の訴えに関わる証言に”なりうる”ものではあるが、
実際にコンビニ強盗事件を起こした犯人なのかどうか、
そして何より「自白を強要された」と訴えるに至ったのは何故か、
本人の考えを聞かなければ、全ては推論だ。
強要させる、のではなく、あくまで話を聞かなくては。
延期された初公判は、来週に控えている。
葵と神山は明日、改めて木本の元へ向かうことにした。
105人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:white12 | 作成日時:2019年7月1日 21時