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時間について2 ページ28

そんな時間の解釈(イメージ)を逆に利用する。主人公の感情を遠回しに表現するのにとてもきれいだなぁと思っています(私は、ね)(主人公の感情が天気に影響されているだけ説は無きにしも非ず)。

”寒い。
大雪が降り、地面に雪が積もって、そして気が付いたら吹雪いていた。

隙間風が入ってくる小屋の中は暖炉のおかげでかろうじて上着を脱げるくらいではあり、それなりには明るい。
こんな日に山に入ることになるなんて本当に最悪…いや、本当の最悪はもっと前に始まっていたのかもしれないな。

つい2週間前まではまだ暖かかったというのに、あいつが現れて、王都の軍の大多数が壊滅状態においこまれて、ついには…


僕は考えることをやめた。
こんなことで悩んでいてもしょうがない。だって食料なんてもうこの缶詰が最後だ。
…もちろん、この缶詰が旅行のお土産の"南国の空気ーココナッツ風味ー"でなければ、の話ではあるが。誰だよ、これ食糧庫に入れたやつ。

普段ならさんさんと太陽の光が寒い地に降り注ぐような時間であるも、朝も昼も関係なく暗く、雪が降るか、吹雪くか、それとも霧で満たされて結局何も見えないか、それだけだ。

僕の、この国の民の絶望を表しているようにちらりと見えた空はどんよりとした色で、何もする気が起きない。
もう終わりだ。食料もなければ、仲間も家族もいない。助けなんて来ないだろうし、僕はこのまま…

ーーーーーー

あのまま眠ってしまったのか、僕は冷たい床の上で目が覚めた。
暖炉の火は小さくなっていて、木を足さなければと小屋の中に積んであった薪を二つ放り入れた。
遠くから聞こえてくる声のようなものが聞こえる。

まさか、だれか人が来た?

乾かしておいた上着を着て、チャックを手早く上げて小屋を飛び出した。

外は久しぶりに見渡せていて、あたりは真っ白だったものの、もみの木がひょっこり頭を出している。
ゆっくりと昇る朝日に照らされながら、歩いている人影が数人。
朝が来た。助けだ!

僕は思いっきり手を振って声を上げる。
安堵に泣き出してしまいそうになるも、頑張って大声を出し続けた。”

 
 

さばさば女子→←時間について



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- 小説を書こうとしてる身にはとてもありがたい話だらけでした…。見てて納得できたし、とても共感できてたくさん学ばせていただきました!ありがとうございました!! (10月24日 21時) (レス) @page30 id: 80ab2a2641 (このIDを非表示/違反報告)
あやにゃん(プロフ) - 名無しさん» 名無し様、コメントありがとうございます。 読みやすく、共感してくださったのならば光栄です! (2022年4月7日 19時) (レス) @page19 id: da8251f691 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 文章がすごく読みやすくてびっくりしました。考えの表現の仕方はもちろんですが青い文字で例文(って言えばいいのか?)が載ってるのもすごく理解が深まりました。内容もすごい共感しました。あまりコメントとかしたことがないので失礼があったらすみません。 (2022年4月6日 21時) (レス) id: a2d88fee75 (このIDを非表示/違反報告)
あやにゃん(プロフ) - 鈴蘭さん» 鈴蘭様、コメントありがとうございます! こちらこそお役に立てたようなら幸いです! (2022年3月12日 18時) (レス) @page22 id: f26db8afe6 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭 - 共感する部分もあったり,「へぇ、こーゆー事考えてる人いるんだ!」など,色々学習させて頂きました!有難う御座います𓈒𓂂𓂃 (2022年3月6日 15時) (レス) @page9 id: 523004035f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2017年4月26日 7時

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