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誘拐 ページ42

―――Aside


『・・・で、私に何をする気です?


お母様のように切り刻むんですか?』


Aは挑発的に笑いかける


それを見た黒いローブの男は声を大にして大いに笑った




・・・なんなのこの男、意味がわからない




「母親に似て威勢がいいですねぇ!!!


これはまた、少し静かにしていただかないといけませんかねぇ!!!」



深々と被ったローブからチラリと見えたその顔は、狂気に溢れていた


怖い


この男は何を考えているのだろうか


こんなにも楽しそうに笑っているのだ


やっとのことで挑発する齢12の少女に対して


さも愉快そうに笑うのだ




鳥肌が止まらない


腹の底から恐怖が押し寄せる


きっと、きっとお母様もこんな感覚だったのだろうか


1人で、薄暗いこの教会に磔にされて


言葉の通じないこの黒いローブの人達に、頭を下げられながら


この狂った空間から自分の力では抜け出せない絶望感を抱えて


この男に切り刻まれたのだろうか





目の前の男がパチッと指を鳴らすと、頭を垂れていた数人が黄金に輝く盃を持ってきた


男の手にはナイフが握られている


『悪魔の召喚には生贄と高貴な者の魂が必要


魂っていうのは、血液の事なんですね』


「おやおやおや、よくご存知で!


この黄金の盃にいっぱいの高貴な者の血液、そして器となる生贄!!!


その全てが揃う時、我が王サタン様が応えて下さるのだ」


嬉々として語る男の声に、頭を垂れていたローブの集団が拍手を送る


・・・気味が悪い


その時




―――スパン



『?!』



私の右手が床に転がった





最近、私は吸血行為をしていない


つまり、軽度の貧血状態だ


このまま盃に血液を注ぎ続ければ・・・意識が飛ぶ可能性がある


無作為に吸血やら食事やらを繰り返す可能性が・・・ある







そんな姿、あの2人には見せたくないのに・・・




状況を少しでも変えようと藻掻くが、磔の十字架はビクともしない



手足を拘束しているベルトも全くちぎれる気配がない



暴れれば暴れる程、手から滴り落ちる血は溢れ出る



1つ目の盃がいっぱいになる頃


切られた手の傷が、塞がり始めた


その度に私の右手はナイフで抉られた


「流石ですねェ!!!


ものの数十分で塞がるのですから」


塞がりかけた傷にナイフを刺され、グリグリと抉られる


その痛みに、顔を顰めた


「ご安心ください


その磔はあなたの母親ですらビクともしませんでしたからね」

誘拐→←誘拐



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ruru(プロフ) - みこさんの作品とても好きです✨しかもめちゃ好みで全部読んじゃいました(*^^*) (5月6日 18時) (レス) @page45 id: 41af3796e6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - メロンソーダさん» メロンソーダさんこんにちは!ありがとうございます\( °ω° )/頑張りますー!! (2022年8月4日 7時) (レス) id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
メロンソーダ(プロフ) - 続編おめでとうございます(* 'ᵕ' )イラストもお話も待っています 体調管理に気をつけながらも頑張ってください!! (2022年8月3日 22時) (レス) id: 30b889220d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みこ | 作成日時:2022年8月3日 7時

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