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「ちょっ、涼!?」
私は顔が赤くなり、キスされた場所を両手で押さえる。
私がキスされた場所はおでこのため、おでこを押さえた。
「わ、悪い…」
涼も顔を赤くして、手の甲を口に当てる。
自分からしてきたくせに…
「お、俺先戻ってるから…」
「ちょっと待って!」
屋上から出ようとしている涼を私は止めた。
涼は体ごと振り向いた。
私、今なら涼に伝えられるかも…
「あのね…!」
私は告白の緊張で震えてしまった。その震えを抑えるために制服の袖を握った。
「私…!!」
「うん」
涼は相づちで、私の伝えたいことを待っている。
「涼のことが……」
キーンコーンカーンコーン
タイミングが悪くチャイムが鳴り、私の声はチャイムより消された。
「朝の会始まるな。で、何?聞こえなかった」
「あ、ごめん。私言うこと忘れちゃった!」
私は咄嗟に笑って嘘をつく。
もう今の私には言える勇気がなかった。
「さ、教室戻ろ!」
私は涼の腕を引っ張って、教室まで走っていく。
教室に着くまで、涼は一言も喋らなかった。
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作者名:咲乃ほしは | 作成日時:2019年10月21日 21時