騎士の国のお姫様【Knight A】

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それから無事に許可が下りた。感謝しかない。
30分のみで、延長は無し。地下室の前の扉にはそうまさんが待機するという条件は付いたけどね。

そうまさんに『気をつけてね』と一言。ギィっと重々しい扉が開いたそこには牢の中に入っている父上と母上と姉上がいた。そこには兄上の首も。拘束はされていないみたいだ。



あ「ち、父上、母上、姉上、兄上…。」


姉「あんた！！あんたが騎士の国に誘拐なんてされたせいでレイヤはこんなことになったうえ、城直属の兵士は全員死んだわ！！それにあんたに姉上なんて呼ばれる筋合いないわ。せめてレイカ様と呼びなさい。」


ミサ「あなたがA様にレイカ様と呼ばせる筋合いはありません！！」


あ「ううん、レイカ様。その通りです。私のせいでたくさんの人の命が失われたのは事実です。本当に申し訳ないと思っています。」


ミサ「A様…。」


王「そう思うならここで自分の首でも切ったらどうだ？ここにはいくらでもあるぞ。」


あ「…、そう、ですね。」


ミサ「何でA様が死ぬ必要がある！？A様のお陰で救われた命だって多いはずだ。」


あ「ミサ、ミサやめて。だって事実だから。私のせいで数えきれないほどの命が失われたの。その事実からは目を背けてはいけないの。」


レイカ「じゃあ死ぬ前に私たちを助けて国の合併をやめさせなさい。あなたでもそのくらいは出来るでしょ。」


女王「そうね。さすがレイカ。死ぬ前に少しくらい役に立てばどうです？」


あ「それは、出来ません。国の合併で国民の生活が助かるんです！！だから…。」


レイカ「うるっさいわね！！」


あ『ビクッ』


レイカ「あんたは人の役に立てるような人間ではないのよ！！私の役に立てるんだから感謝してほしいくらいよ！！」


あ「でも、出来ない、出来ないから！！」


レイカ「じゃああなたは生きる価値もないわね。そのメイドもよ。」



バシャッと音がして、私とミサにかけられたのはよくわからない液体。
それをかぶった瞬間、呼吸がしにくくなって、さらに動けなくなって、ミサも横に座り込んだ。

何、これ…。まさか、毒？




レイカ「この地下室に入れられるときにね、こっそりそこにおいてあった瓶を盗んでたの。使えるかと思ってね。30分もつのかしら？」


あ「はぁっ、はぁっ、…っ。」


ミサ「…そうま様、そうま様！！どうかA様を…。」


ミサが体を引きずり、扉の方へ。そして倒れた。私はそのまま意識を失った。

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