またね、の続き<K.N>

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｢なに、知り合い？｣


マスターの言葉で現実に引き戻される

突然の健人の登場に驚きを隠せなくて、じっとお互いに見つめあってしまった



｢10年来の友達だよ｣


ね、Aちゃん？なんて平然な様子で私の隣に座ってくる



｢へえ、世の中って狭いもんだね

健人今日はどんな気分？｣


｢今日は、なんだかとってもいい気分｣



健人の言葉を聞いて、リキュールを取りに行ったのかマスターは姿を消した



｢いやあ、びっくりだわ

ここ、初めて？｣


｢うん、なんとなくお酒が飲みたくて入ってみた｣


｢いいでしょ、このお店

2年くらい前から通ってるんだよね｣



そんなに前から通ってたんだ

仕事帰りによく通る道ではあるけれど、意識しないと分からないくらいこじんまりとしたお店だったからある事すら知らなかった



｢お待たせ、いい気分をもっと盛り上げるよカクテル｣


｢ははは、相変わらずネーミングセンスの癖強いね｣



じゃあごゆっくり、とまた姿を消すマスター

ここにいてもらったほうが私としては楽なんだけどなあ





｢最近どう？仕事は｣


｢んー、やりたい事はまだ出来そうにないかな｣


｢そっか、｣



続く沈黙

耐えきれなくなって帰ろうと立ち上がるけど、


｢もう帰っちゃうの？｣


少し顔を赤くした健人が上目遣いで言ってくるもんだから、帰り支度をする手を止めてしまう



｢せっかくまた会えたんだから、お話したいな｣


｢そうだね｣



結局、また座ってしまった

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