またね、の続き<K.N>

・ ページ26

・


Kento said








｢あいつ、まだお前のこと想ってるよ

忘れようと頑張ってるのに、次の出会いを求めて頑張ってんのに、結局忘れられないってやけ酒して道で寝てて

たまたまそれを俺が助けたんだよ、運命じゃん

お前とAを再会させるための運命じゃんこんなの｣


｢今また大事な時期だろ！

どうにかなんて出来ねえよ、菊池みたいに器用に両立出来ないんだよ俺は

Aちゃんのことは大事だけど、それと同じくらいお前らも大事だから、どっちかしか選べねえんだよ俺は｣


｢お前まだそんなこと言ってんの？

10年前となんも変わってねえな、少しは成長しろよ｣


俺の襟を掴む菊池に、勝利が止めに入る



菊池の言う通り、俺は何も変わってない

俺にはAちゃんとよりを戻す資格なんて無い



｢お前がそんなんだと、Aが可哀想だろ

もう知らねえぞ、どうなっても｣



きっと、菊池はAちゃんに惚れている

再会して、2人で過ごすうちに魅力に気付いたんだと思う


仕方が無い

それで2人が結ばれるなら、1番いいと思う


菊池なら、きっとAちゃんを幸せに出来る




タイミングが良いのか悪いのか、出番が来た俺たちは収録にのぞんだ


カメラが回れば、何事も無かったように菊池も話してくれるから

やっぱりプロだななんて感心する


1月後半からスタートする俺らの冠番組の特番の撮影で、5人で思い出を振り返るコーナーがあり、撮影後も何事も無かったように菊池と話せた

菊池も菊池で、さっきのことには触れてこない



これでいい

他のメンバーも気を使って触れてこない


申し訳なさも残るけど、これがきっと1番いい




俺とAちゃんが再会するなんて運命、最初から無かったんだから

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す