まさかこれが本気とは言わないよね？ ページ26
―――――――ファル、僕のところに！
今までにないほど強い願いを込めてスキルを発動する。風が髪を揺らす。成功の合図だ。
｢うっ･･････｣
呻き声がして隣を見ると、いなかったはずのファルが
｢ファル！！｣
全身そこらじゅうに焼けた痕や切り傷がついていて、どくどくと血が流れているのがよく分かった。白く綺麗な髪は焼けたりバラバラに斬られているせいで輝きが失われている。本当に反撃する間もなく防ぐことだけをしていたようだ。
｢おや。何故ファグゲイルがそこに？瞬間移動の魔法は使っていないはずだよ｣
ノヴァーレは心底驚いたように目を瞠った。コツ、コツ、と靴音を響かせゆっくりと近付いてくる。
｢･･････A、ありがとう。もう力は使い続けてくれて構わない。バレたからな｣
｢ファル！！！｣
ヴィーシャが初めて声を荒らげた。
意味がわからなかった。Aの力は精霊よりももっと強い"何か"の力だ。それを使い続けろだなんて、使い果たしたら何が起きるか分からないのに！死んでしまう可能性だってあるんだぞ！？いいのか！？
｢ハッ！俺がAを死なせると思うか？そんなわけないだろ｣
そもそも消費されているのは魔力だ。どんなに使っても1ずつしか減らない。万が一力に溺れ破滅しそうになっても、自分の命と引き換えに助ける覚悟だ。
｢話は終わった？それで、どうやってファグゲイルはそこに移動したのかな？｣
｢教える気は無いッ！！｣
駆け出したのはオリオンだ。同時にヴィーシャも地面を踏み込み術式を展開する。
｢―呑まれろ、潰せ、怒れる大地の鉄槌を！｣
ヴィーシャが詠唱を唱えると地面から数々の鎖が出てくる。太い岩の鎖だ。鎖は瞬く間にノヴァーレに巻きついてミシミシと音を立てて締め上げる。ノヴァーレも痛みに顔を顰めた。
｢終わりだ！！｣
動けないノヴァーレにオリオンの剣が振り下ろされる！
｢まさかこれが本気とは言わないよね？｣
瞬間、炎が上がり鎖だけが燃え盛る。岩の鎖が溶け始め、地面にボトリと落ちた。自由になったノヴァーレが手を広げて剣の方へ向けると、カキィンと甲高い音が鳴る。見えない壁に阻まれているように、剣は振り下ろすことが出来ない。
｢じゃあ次はこちらから行こう｣
Aたちの横を、風が通り抜けた。
では彼で、君の予想が合っているか試してみようか→←ファルのことを何も知らなかった
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埋夜冬(プロフ) - 千々さん» 最後までお読み下さりありがとうございます！！！もう本当にありがとうございます！超絶励みになってました！(語彙力) 主人公くんに万が一飽きると魔王様が攫う気満々ですが、その前にエル様がガードしにきます。玩具を取られたくないからね！！ガードが多いね主人公！ (2021年3月13日 11時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 完結おめでとうございます！ とても面白かったです！ やっぱりファルの主人公に対する執着がいいなあと思いました。そしてファルが主人公に飽きる日は来ないらしいですが、もしそんなことになったら私が主人公を守りにいきます(( 本当にお疲れさまでした！ (2021年3月13日 11時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 千々さん» ありがとうございます！！作者は更新時間まばらですが、これからも精一杯頑張らせていただきます！今後もよろしくお願いします！ (2020年8月26日 12時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - 続編おめでとうございます！ とても楽しくお話を読ませていただいています！ 楽しいお話の中にちりばめられた謎がとても気になって……！ これからも読ませていただきます！ 続きを楽しみにしていますね！ (2020年8月26日 8時) (レス) id: df88b28f21 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ふわふわありすさん» ありがとうございます！予定では続編でちゃんと終われるはず！頑張りますのでお楽しみに！コメントありがとうございます！ (2020年8月26日 5時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年8月25日 23時
