60冊目 ページ21
次の日、Aは嫌々だが出版社に行った。
昨日の件で嘉川から何か連絡がいっていて自分は編集者をクビになるのではないかと不安で堪らないらしい。「行かないと分かんないでしょ！逃げないの！ほら頑張って」と応援してやっと行った。
今日も休みですることがない凛音はAが行った数分後に家を出た。その足取りと顔は怒っていて話しかけれないほどだ。
本当ならAが家に来てくれたことに感動して次の日も有給使わせて二人きりで遊ぶところだ。なのにAを無理に鼓舞して出版社に行かせ、自分も休めるのに部屋を出たのかには訳がある。
アポなしは社会人としてしたくなかったが相手はポンコツだ。どうせ引きこもりだから家にいるだろうし、作品も書いていないはずだ。そんな心境ではないだろう。
インターホンをウザいくらいに鳴らすと苛立たしそうな声で「……何」と聞こえた。
「おい開けろこのポンコツ」
言いながら笑顔を浮かべる。言葉と表情が一致していないがそんなこと関係ない。
息を飲むような小さな音がしてから、「開いてます」と聞こえた。ふむ、どうやら既に殴られる覚悟はできているらしい。
ズンズンと敷地に入り扉を開けて中に進んでいく。中ではズーンと暗いオーラを放った湊が待っていた。
「どうもポンコツ、とりあえず3発殴らせろ？」
「え、嫌だ」
そして瞬時に湊はその返事がダメだったことに気付いた。笑顔なのに、凛音に青筋が立ったことがわかってしまったから。
「あ？Aにあんな顔させておいて拒否権なんてないから！」
2発はガードした湊の腕を。「ホントにこのポンコツ馬鹿がぁぁ！」と殴っておいた。
「ホントに……」
最後は湊の胸の部分を。
「Aになんて顔させてんの……」
ああ、駄目だ。泣きそうになってしまう。
あんな顔、凛音といたときでは一度もしなかったのに。
「話して。あんたが昨日やったこと！１つ残らず！全部！」
「わ、わかった！話すから！」
降参、と湊は両手を上げた。
凛音はソファに座り「ロイヤルミルクティー」と注文する。普段なら無気力で動かない湊だが今日の凛音には特に逆らっちゃいけない気がした。用意してソファに戻る。
湊はちびちびとロイヤルミルクティーを飲みながら、昨日のことについて話始めた。
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埋夜冬(プロフ) - 白澤 晴夜さん» ありがとうございます！返信遅れてごめんなさい！キュンキュン出来ていたなら良かったです(*´ω｀*) (2019年12月14日 13時) (
レス) id: 87a5a46f37 (このIDを非表示/違反報告)
白澤 晴夜(プロフ) - 完結おめでとうございます！！もう最後までキュンキュンしながら読ませて頂きました〜！！この2人には、これからも永遠に幸せでいて欲しいです！！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年12月13日 22時) (レス) id: 5742d2c832 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ゼロさん» 返信遅くなりすみません！ドキドキしていただけたなら作者も満足です！次回作もよろしくお願いします！ (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 唳桜さん» 返信遅くなりすみません！可愛く書けていたなら良かったです！次回作も作ったのでぜひ読んでみてくださいね！この作品を読んでいただきありがとうございました！ (2019年12月7日 10時) (レス) id: b51b60f8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - とても面白かったです。僕自身とても好きなジャンルで読んでてとてもドキドキしました！完結おめでとうございます。これからも応援しています。頑張って下さい(^▽^)/ (2019年12月1日 11時) (レス) id: aaae856515 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年8月10日 22時
