お会計 ページ29
「Aちゃん、あのな？僕、今彼女おらへんねん」
『はい…』
「だから、Aちゃんが心配する事はなーんも無いんよ？」
『…はい』
「…また、会ってくれる？」
『…是非』
「んふふ、そこは「はい」じゃないんや」
私が泣きそうになればすぐ優しく穏やかな空気にしてくれる折原さん。
甘やかされてるなぁ、と反省する反面、このまま甘やかされ続けたいと思う自分がいる。
「来週は忙しいんやけど、再来週なら水曜日か金曜日に会えるなぁ」
『折原さんは木曜日はお仕事ですか…？』
「…お仕事だけど、午後からの予定。…土曜日もおんなじ」
翌日折原さんのお仕事がお休みの日の方を選ぼうと思って聞いたにも関わらず、折原さんは私の思考を先回りして、自分から土曜日の予定まで教えてくれた。
『じゃあ…金曜日で』
「りょーかい。じゃあ金曜日の為に全力で二週間仕事したるわ」
冗談めかして力こぶを作るポーズをした折原さんを見て、つい吹き出してしまう。
『ふふっ…私も頑張ります』
「…それって、Aちゃんも俺に会うの楽しみにしてくれてるって事？」
『もちろんです！折原さんと一緒にいると楽しいですし、それに…』
「それに…？」
『い、いえ何でもないです！』
「えー気になるやんかー」
…危ない所だった。もう少しで「それに好きな人と出掛けられるならどこだって楽しい」と言ってしまう所だった。
恋愛対象として見ていないであろうガキからそんな事を言われたら、優しい折原さんはきっと困ってしまう。
「Aちゃんは何食べたい？」
『今回は私が好きなものを選んだので、次は折原さんが好きなもので…！』
「じゃあ、交代で好きなもの食べに行こか」
『は、はい…』
さらりとこのお食事会が定例で開催される事を約束された気がしたのだが…折原さんは随分とやり手に違いない。
美味しい食事を頂いて、いつお会計なのだろうかとそわそわしていた私だったが、気が付けば折原さんと一緒にお店を出ていた。
『あれっお会計は？！』
「あはは！Aちゃん、前回と似たような反応するんやなぁ！」
『え、え…？』
もしかして、と思って恐る恐る折原さんの顔を見上げると、ニヤリと笑い掛けてきた折原さん。
「奢っといたで」
『え？！いや…お支払いします！』
「も〜こういう時は男に花持たせたって？」
『で、でも…！』
「流石に年下の女の子に払わせる程、稼ぎは少なくないで？」
余裕綽々な微笑みの格好良さにノックアウトされたのは言うまでもない。
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紫苑(プロフ) - リリトさん» リリトさん、コメントありがとうございます！ そんな偶然があるんですね？！自分で名前を設定しておきながら驚きました笑 (2020年11月9日 19時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリト - 漢字は違うけど、本名同じ人おったｗｗ (2020年10月22日 17時) (レス) id: 5c9bfe90e0 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - ひよりんさん» こんばんは。メッセージを返信させて頂きましたので、ご確認頂ければ幸いです。 (2020年8月22日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - こんにちは。メッセージ送らせていただいたので、見ていただければ幸いです。 (2020年8月21日 21時) (レス) id: 222226e292 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - センラさん推しさん» センラさん推しさん、コメントありがとうございます！ 神様だなんて畏れ多いです…！ですがありがとうございます、嬉しいです。 これからも頑張りますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年11月1日 18時
