side.Sakata ページ43
ソファーに腰かけたAさんは気まずそうに眉を下げながら、口を開いた。
「えっと、改めてオーナーのAです。…今まで黙っててごめんね？」
『…ううん、オーナーが危険な目に遭いやすいって話は、金城さんから聞いてたから。でも…』
「…でも？」
『なんか、俺ばっか会いたいって思ってただけなんやなって』
「え？」
『俺、ずっとオーナーさんと会って、話す事が夢だったんよ。1年前に俺たちの事、助けてくれたし、俺らでも勝てない事がある金城さんよりも強いって話やったし。なのに、オーナーさんはAさんで、つまりはラヴィさんで…ずっとオーナーさんに会いたいって俺が話してた事知ってて…もう俺自分の感情がわかんないよ…』
ぐしゃぐしゃと髪の毛を毟れば、向かいに座っていた彼女が立ち上がり、俺の隣に座った気配がした。そして、そっと背中に小さな手が触れた。
「ごめんね、坂田君。ずっと黙ってて。ずっと騙すような真似をしていて。…許して、とは言わないよ。でも、会いたくなくて会わなかったのではない、という事だけは知っておいて」
『そうなん…？』
「オーナーが特定の誰かと会っていると知れれば、ある事ない事、憶測を飛ばされてしまって、結局相手に迷惑をかけてしまうの。だから、オーナーとして坂田君や、他の人に会う事はそう簡単にできなかった」
悲しそうに目を伏せるAさんの横顔を見て、彼女の言葉に偽りがない事を悟った。不意に彼女が目線を上げ、俺を真っ直ぐ見つめてくる。
「騙すような形にはなってしまったけれど、私はラヴィとして坂田君や四天王の皆に会えて、私は楽しかった。私が採用した人達がボーイとして、しまいには立派なプレイヤーとして活躍している姿を間近に見れたわけだし」
『Aさん…』
彼女の真っ直ぐな言葉に、俺の胸がじんと熱くなる。嗚呼、Aさんがオーナーさんで良かった。だって、こんな事言われたら…
『好きや』
「…へ？」
『俺、Aさんの事が好きや』
「さ、坂田君…？」
至近距離で見つめ合えば、ドキドキと鼓動が高鳴る。今なら、「お願い」を口に出来る気がする。
『な、"願い事"言ってええ？』
「今…？」
『Aさんの全てを僕に頂戴？』
「っ！？」
『俺、欲張りなんねん。だから、オーナーさんのAさんもラヴィさんのAさんも全部愛させて？』
「……」
『ふふ、大好きやで、A』
顔を真っ赤にして小さく頷き続ける彼女と俺の影が重なった―――
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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです！ ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります！ありがとうございます！ (2019年10月14日 0時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました！名前で呼ばれるのが嬉しいです(￣∇￣*)ゞ次も頑張ってください！ (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…！こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです！ 応援ありがとうございます！頑張ります！！！ (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です！登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください！ (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年10月7日 13時
