stage.19-1 ページ26
(side.Urata)
扉の前で一度深呼吸して、俺は事務室の扉を三度ノックする。
『失礼します、金城さんいますか？』
「うらたか、入っていいぞ」
金城さんの声に従い、室内に入るとラヴィさんと金城さんが何やら図面と睨めっこしている所だった。
「何の用だ」
『えっと…実は、オーナーから頂いたハンカチがほつれてしまったので、ラヴィさんに直して頂けないかと思いまして、居場所を聞こうと思っていたのですが…』
「ちょうど良かったな。ラヴィ」
「はい、分かりました。いいですよ」
『ありがとうございます！』
偶然ではあるがラヴィさんが事務室にいたお陰で探し回る手間が省けた。
ラヴィさんは裁縫が得意で、ボーイ時代に制服がほつれた時、助けてもらった事があった。一応、自分も多少の繕い物は出来るが、今回のハンカチは綺麗に直したかった為、無理を承知で頼みに来たのだ。
「そのハンカチは何処だ？」
『これです』
「…何処がほつれてるんだ？」
「この角ですよ、金城さん」
「む、よく分かったな…」
「ふふ、こう見えても繕い物は得意ですから」
するすると親指でハンカチの隅を撫でるラヴィさんを見て、不意にデジャヴを感じた。その正体を探っていると、つい先日センラが言っていた言葉が蘇った。
『手付きが、似てる…』
「ん？何か言ったか？うらた」
『あっいえ…』
「これ位ならすぐに直せると思いますし、明日には返せると思います」
『ありがとうございます』
応接室を出た後、俺は一人で悶々と悩み始める。
(さっきのハンカチを触る手付き、オーナーとそっくりだったような…？いや、でもラヴィさんとオーナーに接点なんて…)
去年のパーティーで大勢の観客の前で手渡されたあのハンカチ。オーナーはハンカチの隅にある刺繍の部分を何度か撫でてから、俺たちにハンカチを渡してくれた。先程のラヴィさんの手付きを見て、その記憶が蘇った。
そこで更に思い出したラヴィさんに関する情報。
(働き始めたのはちょうど8年前、今のオーナーになった時って言ってたよな…？いやいやまさかそんなはず………)
様々な可能性が思い浮かんでは打ち消していくが、それでも残る疑問。
(そういえばアニバーサリーの日、ラヴィさん居なかったような…それってラヴィさんがオーナーだったから…？)
しかしラヴィさんとオーナーは髪色も身長も雰囲気も全く違う。…だが、一度気になってしまうととことん追及したくなってしまうのが俺の性だ。
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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです！ ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります！ありがとうございます！ (2019年10月14日 0時) (
レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました！名前で呼ばれるのが嬉しいです(￣∇￣*)ゞ次も頑張ってください！ (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…！こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです！ 応援ありがとうございます！頑張ります！！！ (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です！登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください！ (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年10月7日 13時
