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朝、口元を隠してくあ、と欠伸をする。今日は土曜日なので隣に影山くんはいない。向かう先も烏野高校ではなく青葉城西だし、そういう意味ではかなり新鮮な気がした。
今日は午後まで部活があるらしいので、影山くんの勉強を見ることは出来ない。予め電話でそう伝えると、彼は言いづらそうにしながら、「青城では大丈夫なのか」と私の心配をしてくれた。
「私の心配よりも、お勉強の心配をした方がいいんじゃないかな？」
『ぐっ……う、うるせえ』
「ふふ、ごめんね、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」
『……おう』
「月曜日の朝は、また生物基礎の振り返りをするから、頑張って勉強してね」
嫌そうな返事を聞いて、じゃあ、と電話を切った。何だか朝に彼と話さないと一日が始まった気がしない。いい事とも悪い事とも言えないが、彼の声で落ち着くことは確かだった。
「あ、神風さん」
「あっ、お、おはよう、二人とも」
青城の校門近くに差し掛かると、後ろから金田一くんが早足で駆けてくる。私を待たせまいとしているのだろうが、隣にいた国見くんは全く急ぐ気がない。ゆったりとした足取りで歩いてきて、校門で私達が迎えた。
「今日はまた違う髪型だね」
「そ、そう。お家の人にされて……」
国見くんはまじまじと私の頭を見た。後ろがどうなっているのかはほとんど分からないのだが、サイドをロープ編みにして纏めたローポニーだとかなんとか言っていた。興奮した加賀さんの言葉は早口なので聞き取りずらい。
「こなれた感じ」
「な、なるほど……？ま、まあ、髪型に拘りはないから、いいんだけれど……」
「三つ編みに拘りあったんじゃねえの？」
「う、ううん、一番纏めやすいから……振り向いた時も、そんなに揺れないし」
へえ、と不思議そうな二人と共に体育館へ向かう。今日を含めてあと二日しかここに来ないとなると、少しだけ寂しい感じがした。
そうは言っても私が居たい場所は烏野高校だし、日向くんと影山くんに勉強を教えるという大義が残っているので、なるべく早く戻りたいというのが本音だった。私は青城ではなく烏野のサポートをしたいのだ。
「あ、おはよう、神風ちゃん！今日こそ下の名前教えてもらうよ！」
「お、おはようございます」
「完全スルーじゃん」
そうは言っても金田一くんは私の名前は知っているだろうから、金田一くんから教えてもらえばいいのでは？
「ごめん、俺も知らない……」
「そ、そっか……後で教えるね」
「何で！？俺には！」
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ReG(プロフ) - なこさん» 閲覧して頂きありがとうございます。今後も読んでくだされば幸いです。 (2022年4月18日 14時) (
レス) id: d40d8fc65b (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - とてもおもしろくてすいすい読めて読み応えがあります(^-^)/ 更新楽しみにしております(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)” (2022年4月2日 19時) (レス) @page22 id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ReG | 作成日時：2022年3月22日 15時
