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第57回壁外調査23  ―闇 ページ39





とりあえず、第一の目的は果たすことができた

知性を持った巨人の捕獲
それはすなわち、エレンと同じく巨人化する能力を持った人間が存在する、ということ



エルヴィンの考えが正しかったわけだ

今更ながらに、アイツの頭の中は予測がつかねぇ…



リヴァイは素直にそのことに感嘆していた。



だが、その為に多くの仲間の命を犠牲にした
それでも仲間達は兵団を信じ、ここまでついて来てくれた


自分の班員達も然り…

エレンは別として、班員に対しての不安はなかった

それ程、自分はアイツらのことを信頼している――と言っていい
もちろん、Aを含め…

そして―――アイツらも、俺を信頼している

そういう関係はもちろん嫌いではない



だが信頼というものは、その関係性だけでは終わらない

信頼されるということは、その信頼を裏切れないとうこと
その信頼に応えなければならないということ

どんな状況下においても


犠牲になった兵士達もそうだ
調査兵団を、そして人類の未来を信じてその命を賭していった



だからこそ、何としてもこのまま帰るわけにはいかねぇ…



リヴァイは立体起動で宙をヒラリと舞うと、女型の巨人の頭上へと降り立った。




「…オイ、いい加減出てきてくれないか。こっちはそんなに暇じゃないんだが…」




答えるはずもない女型の巨人へ問いかける。



今の自分の状況をどう思っているのか…

このまま逃げることができるわけもない
もちろん逃がすわけがない

その中から必ず引きずり出してやる


じゃねぇと、…犠牲になったアイツらに、合わす顔がねぇだろ




「…そう言えば、お前は確かいろいろなやり方で俺の部下を殺していたが…、あれは楽しかったりするのか?」




惨殺される仲間たちの姿が、目の奥に焼き付いて離れない――




この巨人の中にいるであろう『人間』

ついさっきまで何人もの兵士をその手にかけ、自らの手で殺した…
同じ『人間』を
何の躊躇もすることなく



「俺は今、楽しいぞ。なぁ…?お前もそうだろ?お前なら俺を、理解してくれるだろ…?」



俺の深いところに根付いている、闇の部分…


自分もそうやって生きてきた
自分に危害を加えるものを排除し、邪魔なものは迷うことなく消してきた

そうすることで生き残ってきた


力が全て…


目的の為なら、自分が生き残る為なら手段は選ばない
その為なら何でもする

それが、あの世界では普通だった





あの、クソのような世界では…―――




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まやや - 本編は女型の巨人でしたよね(名前かっこいい)オルオのボケシーンほんと面白くて和みます! (2020年10月24日 14時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
まやや - これ決戦は相手と意思通じできる前提なのですか? (2020年10月24日 14時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - レムさん» レムさん!コメントありがとうございます!レス遅くなってしまいすみません(>_<)最近通知の調子がおかしくて(泣)応援本当に嬉しいです!これからも更新全力で頑張ります!!(≧▽≦) (2017年4月22日 16時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
レム - いつも読ませてもらってます^ ^これからも応援してます!頑張ってください (2017年4月19日 0時) (レス) id: 070402a881 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - みーみーさん» プンプン丸…可愛いな(*´ω`*)兵長のシーン、ちょっと長かったね(*´∀`)この辺りの流れ、すごく好きなんだ!続きも頑張る〜!! 次はもうリヴァイ班のシーンに移る予定だよ((((;゚Д゚))) (2016年12月4日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年4月28日 20時

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