第57回壁外調査17 ―本当の目的 ページ33
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これが本当の狙い…!?
信じられない光景を目の前にして、思わず言葉を失う。
あれ程までの力を持っている巨人を、殺さずに生きたまま拘束するなんて…
「まさか、あの巨人を生け捕りに…ッ!?」
最初にエレンが驚きの声をあげた。
半ば呆然としていたメンバーの表情に、安堵の色が戻ってくる。
グ「どうだ、エレン!あの巨人を捕らえたんだぞ!」
エル「見たか!?これが調査兵団の力だ!」
オ「なめてんじゃねーぞ、バーカ!これでわかっただろ、クソガキ!」
エレ「はいっ!」
Aとペトラも思わず顔を見合わせ笑顔になる。
緊張が解けると共に歓喜に包まれる中、先頭で冷静な表情のままリヴァイが口を開いた。
「お前たちはこのまま先へ進め。少し進んだ所で馬を繋いだら、立体起動に移れ。班の指揮はエルドに任せる。…俺とは一旦別行動だ」
「…兵長は、巨人のところへ…?」
未だはっきりと頭の中の整理がつかないまま、Aはリヴァイへそう尋ねた。
「ああ。エルヴィン達と合流する。お前らも気づいているとは思うが、ヤツの狙いはエレンだ。まだ完全に拘束できたかわからねぇからな、油断はできねぇ。適切な距離であの巨人からエレンを隠せ。…いいな?」
「「了解です!!」」
皆がそう答えると、リヴァイは立体起動に移るため馬の背に足をかけた。
その時、何故か急にAの胸がざわめいた。
今までに感じたことのないような不可解な感覚。
もしかしたら、もう二度と会えないのではないか…
そんな根拠のない思考がふいに頭を過り、一瞬背筋が凍りつく感覚に襲われた。
「…兵長!!」
Aが思わずその名を呼ぶと、リヴァイはAの方へと視線を向けた。
Aの瞳のわずかな変化を読み取ったのか、リヴァイは少しだけ眉間に皺を寄せる。
「…後でまた合流する。馬は任せたぞ、A。…そこのクソガキのこともな」
リヴァイはそう言うと、Aに向かって小さく頷いて見せた。
「…はいッ!」
Aがそう答えるのを見届けると、リヴァイはアンカーを放ち飛び立った。
そうだ、自分の役目はエレンを守ること
私は私の役目を果たさなければ
大丈夫
またすぐに会える…
Aはそう自分に言い聞かせながら、立体起動で森の中に消えて行くリヴァイの背中を見送った。
胸の内をざわつかせた正体
悪夢の幕開けが、すぐそこに迫っているとは知らずに…――
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まやや - 本編は女型の巨人でしたよね(名前かっこいい)オルオのボケシーンほんと面白くて和みます! (2020年10月24日 14時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
まやや - これ決戦は相手と意思通じできる前提なのですか? (2020年10月24日 14時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - レムさん» レムさん!コメントありがとうございます!レス遅くなってしまいすみません(>_<)最近通知の調子がおかしくて(泣)応援本当に嬉しいです!これからも更新全力で頑張ります!!(≧▽≦) (2017年4月22日 16時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
レム - いつも読ませてもらってます^ ^これからも応援してます!頑張ってください (2017年4月19日 0時) (レス) id: 070402a881 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - みーみーさん» プンプン丸…可愛いな(*´ω`*)兵長のシーン、ちょっと長かったね(*´∀`)この辺りの流れ、すごく好きなんだ!続きも頑張る〜!! 次はもうリヴァイ班のシーンに移る予定だよ((((;゚Д゚))) (2016年12月4日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
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