のんびり4日目 ページ10
『着きました! ここです』
「あぁ……思ったより早く着いてよかったよ。」
私の心臓はもう少し遅ければ止まっていたかもしれません…
『えっと、まずは参拝を済ませて、それからお守りを買いたいです!』
「あぁ、もちろんだよ、行こうか。」
「はい」
神社に入った時から思ってたけど、人の視線がすごいです…。
今日は休日で人が多いのですが、特に女性の方の視線が石切丸さんに集まってます。
やっぱりかっこいいですものね。
私なんかが横にいていいのでしょうか…
燭台切さんと歌仙さんに綺麗な服は選んでいただきましたが、やっぱり自分には自信がありません。
「おや、神を前に悩み事かい?」
『あっ! いえ、全然なんでもありません!』
「そうかい? あと少しで私たちの番だよ?」
『は、はい。』
石切丸さんはこの視線が気にならないのでしょうか。
「翡翠を見ている男が多いね、いっその事切ってしまおうか。」
『えっ?』
「あはははは、冗談だよ。今日の翡翠は可愛いからね、みんな気になるのだろう。私も気が気じゃない。」
石切丸さんは真っ直ぐ前を見たまま淡々と話している。
えっ? 可愛いって……えっ!?
可愛いって言われたことはびっくりですが、それと同時に石切丸さんも同じことを思っていたんですね…
私を見ている方はいらっしゃらないでしょうが、そんなことより、石切丸さんが言ってくださったことが嬉しいです。
私が不安だったのを見透かされたようです。
『なんでもお見通しなんですね。』
「さて、なんのことかな?」
『………私たちの番ですね。』
「あぁ、行こうか。」
『はい。』
なんだか余計に照れくさくなってきました。
石切丸さんには適いそうにありません…。
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作者名:雪ミナト | 作成日時:2018年9月25日 2時