【歌い手】今宵、愛の言葉は隠された team.B【大型コラボ】 (ページ20)

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「「かんぱーい」」

　
カツンと心地よいグラスの音が響く。
映画を見終わったら、もう夕方…夜に近くなっていたので
センラさんに飲める？と聞かれて、気が付いたら居酒屋にいた感じだ。

　
「センラさん、お酒好きなんですか？」

「ん、まぁね。……すいませーん、ビールお替りー」

「はやっ！？」

乾杯と同時に一気にジョッキの中身を飲み干すセンラさん。
飲み会のときもかなり量を飲んでいた気がするが
ペースはそのときよりもはるかに速い。

「んー？俺やて、職場飲みのときは抑えるわ。」

「え。」

「今日はオフやし、Aちゃんとならええやろ。」

「…え？」

まったくこの人は期待させるのがうまいというべきなのか。

お酒を飲みながら、映画の感想を話し合う。
楽しみにしていたとおり、その作品はとても面白かった。

「にしても、あそこであぁなるとはなぁ…」

「それは思いました、まさかってところでしたよね。」

「ホンマにな！いやー、主人公男やわぁ…」

なんていいながらハイボールを飲み干していくセンラさんは
若干、顔が赤くなっていて、語尾が方言以上に延びている気もする。
その場合、彼にもともと備わっている色気がさらに増していくので
こちらとしては目に毒というか、いろいろとやばいのだが。

「ん、Aちゃん。」

「なんですかセンラさん。」

「楽しいな」

「そうですね、私も楽しいですよ。」

にっこりとした笑みでそんなことを言われ、紅くなる頬をごまかすようにお酒を煽る。
この後私は、お酒のせいでたまに飛び出すセンラさんの甘い爆弾に
何度か致命傷を負わされ、どんどん時間は過ぎていった。