バイク屋のお友達 ページ6
その後、龍の男は本当にバイクのことについて
教えてくれAはバイク屋に通うようになった。
龍の男は龍宮寺堅というらしく、何度か通っている間にケンと気軽に呼べるようになっていた。
乾とも仲良くなり、今ではケンがいない時には
乾がバイクについて教えてくれたり、
話し相手になってくれた。
「そういえば、お前なんでそもそも記憶なくした?」
いつものようにバイク屋で過ごしていると
思い出したかのようにケンが言う。
「それがさー…」
Aは何故自分が記憶をなくしたのかもわからない。
気づいたら病院にいたし、誰が救急車を呼んでくれたのかさえ分からない。
わかっているのは六本木の廃ビル前に
倒れていたことだけだ。
そして記憶を無くしてから今は3ヶ月経つということ。
それだけだ。
「じゃあどうやって生活してんの?」
作業をしていた乾まで気になったようで、
作業をしていた手を止め質問してくる。
「今は飲み屋で働いてるよ。こー見えてナンバー入りはしてるんだからね。」
今度2人もおいでね〜なんてニコニコ話していると
2人は心配そうなを顔した。
「心配しないで!!そんな治安の悪いとこでもないし!」
ほらあの町のあの辺のと説明を始めると
「店の名前、華月か?」
え、すごい。なんで当てられたのだろう??
「お前すぐ顔に出るな。龍宮寺あの辺に住んでたんだよ。」
Aの顔を見て乾が察したように答えてくれた。
え?あんなところに住んでいたの??
あの辺は飲み屋や風俗店など
治安が悪くないといえど、人が住むところではない。
「俺、風俗店で育ったんだわ」
ケンが昔のことについて話し始めた。
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作者名:もね | 作成日時:2021年7月24日 22時