反社とJK【灰谷蘭】

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｢･･･映画見た事ある？｣





｢うーん。テレビでやってるのをちらっと｣





｢じゃあ映画鑑賞でもするか｣








ランにぃは、なんでも教えてくれる。



立ち上がって、準備。

触ってる機械の使い方すら、私は知らない。








｢映画って面白い？｣





｢どんなのがい？｣








面白いやつは面白い、ランにぃの言葉に、ものによるんだねって。




怖いの？恋愛もの？ファンタジー？それともアクション？推理系は眠くなるからやめて。


ランにぃは色んなことを知ってる。




私はどれも、あんまり想像できない。


漫画や小説なら想像できるのに。

あんまり変わんないのかな。全然違うのかな。








｢ランにぃが好きなのは？｣








分からないから。

私の好きなものなんて分からないから。

ランにぃのことを知らないから。


教えて欲しくて、聞いてみる。




どうだろうな。

ランにぃは悩んで、これとか？って。




流れ始めた映画。

隣にはランにぃ。

手元には新しく温く作ってくれたココア。



大きな音が流れて、私と同じ人間が、私とは違う人生を描く。




ランにぃが選ぶやつ。

怖いやつかな？残酷なやつかな？大人っぽいやつかな？



想像とは違う、 ヒーローが世界を守りながら素敵な恋をする話。


面白くて、感動する。

きゅんってして、ハラハラする。


きっとこれは、ランにぃの好みじゃなくて、私に合わせた私の好み。




出会ってからずっと、この人は私のためを考えてくれてる。

そんな気がする。











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