10、成り行き ページ10
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ザキと一緒にパトカーで迎えに来た土方さん。
ぼうっとする私に、小さくため息をついていた。
「いつもこれでもかってくらいうるさいのに・・・」
「うるせーよ、私も乙女なの・・・いやてかあんたそのアフロなに」
「成り行きで」
ザキの言葉に簡単にそう返す。
今の私は私らしくない。
こういう時にわーわー騒ぐのが私でしょ。
「今どこ向かってんすかー!お腹すきましたー!」
「団子食ったんじゃねぇのかよ」
「そ、れは飯じゃない」
まず食ってねぇよ、嘘だよ。
屯所帰ったらなんか作ってもらえ。
土方さんの言葉に、今日はなんの調味料にしようかなと答える。
「塩分取りすぎるなっつったよな?!」
「別に塩分とりすぎようとは言ってないもん」
「・・・あれ、副長、あそこ誰かいますよ」
「ばかやろ、おま、Aがいるっつって」
「蔵場・・・?」
「お前・・・なんで知って」
「・・・表札に書いてあるんで、えっと、変わった名字ですね」
「とりあえず話聞きに行くから待ってろ」
はい、と答えて、2人が出ていくのを見送る。
それから、目を凝らして門の前に立っている人影を見る。
ちなみに、目は全然良くないので、実際表札も見えてない。
でも、これで確信した。
あれ?・・・ミツバ姉さんと、旦那?
ちょ、待って、ミツバ姉さんはまずい。
急いでパトカーをおりるけど
それはもう既に遅くて、瞳が揺れて倒れていくミツバ姉さん。
全力疾走滑り込みで姉さんの下敷きになる私。
「ミツバ姉さん!ミツバ姉さん!」
会っただけで倒れちゃうの?
発作を起こすように?
ギュッとミツバ姉さんを抱き締めれば
旦那が中に運ぶぞと声をかけてくる。
「旦那・・・なんで、」
「成り行きでな」
「どんな成り行きだよ」
変な人。
ミツバ姉さんを運べば、土方さんは直ぐに帰るぞ、と言う。
もう少し、待ってもいいじゃんか。
そこにおやおや、と入ってきたのは蔵場。
ミツバ姉さんの、婚約者。
闇取り引きの、商人。
ゾッとした。
この人、なんて目で笑うの。
「友人なんかじゃねーですよ。土方さんじゃありやせんか。
どのツラさげて姉上に会いにこれたんでィ」
その男を怖がっていれば、次は総悟。
やめてくれ。
修羅場すぎる。
・・・はぁ。
土方さんに帰るぞ、と言われたけどこれは八つ当たりコース。
そこはザキに任せた。
「私、旦那と帰る」
「はぁ?」
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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時