真選組女隊士 [銀魂]

9、あなたのためなら ページ9

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んで、私が簡単に言うこと聞くような人間じゃないことは

みーんながわかってると思うのだけど。


渋々と、くぅん、と鳴く犬のような顔してもダメだったので

帰ったフリして続行させていただきます。


聞き込みとか、そういうことしたら土方さんにバレるし

バレないように動くには、怪しい場所を徹底的に回るしかない。


その辺にいる人たちに聞いたら何か得られるかも。


倉庫とか、使われてない場所とか

色々回って、やっと見つけた。



｢攘夷志士･･･？｣



もしかして、ちょうど打ち合わせでも始めた時間？


それなら最高だね。


入口だとバレるし、何より内容がききとれないので

少し違う場所、隠れられる場所に移動する。


内容は簡単で、明日取引が行われること。

ここは待機場で、もしも取引する場所で何かあったら連絡があり次第助太刀に行くこと。

たまに出てくる蔵場という言葉。


いや、まさか。

聞き覚えがある。今朝聞いた。ううん、だって、そんなの。


でも、それなら土方さんが瞳孔開かせてんのもわかる。


明日、か。


取引場所までは聞けなかった。

でも、それはきっとあの人がわかってるはず。


それを言うとは思えないけど。


でも、ここを潰せば人数は減る。


さっき脳裏に浮かんだもしかしたら、は、きっと合ってる。

誰にも言わずに行こう。


大丈夫、確認するだけ。


死にそうになったら逃げればいい。


打ち合わせも終わるところになったようだったので

私もそこを引き上げる。


ミツバ姉さん、あなたってどうしてそんなに優しいのに

どうしてこんなに苦しい人生を送ってしまうの？


私、痛いのも苦しいのも嫌いだけど

あなたのためならその痛み全部受け持てるのに。


暗い気持ちになる。

はぁ、とため息がひとつ。


そんな時、急に鳴る電子音。



｢はい、なんすか｣


｢Aお前今どこにいる。｣


｢･･･甘味処です｣


｢はぁ、なんで大人しく屯所戻れねぇんだ｣



言い訳をしようと口を開くと

口答えするんじゃねぇ、今から迎えに行く、と電話を切られる。


･･･やるせない、しんどい。


自分の手のひらを見た。

救った人数より殺した人数の方が多いだろう手。


あの人は、剣も持ったことがない人なんだ。

自分を守る武器すら持っていない人なんだ。


そんな人が、私や総悟を育ててくれた。

そんな人が、こんなに不幸になっていいもの？





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