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7、ミツバ編 ページ7






「ミツバ姉さん!」



ミツバ姉さんが江戸に来る、そう聞いたのはいつだっけ?


武州に1人、置いてきてしまったことを何度も後悔した。

けれど、これからはいつでも会える、そう聞いた。



「あらあらAちゃん、走ったらスカートの中が見えちゃう」


「大丈夫です!スカートの中、ズボンになってるんで!

それより、体調は大丈夫なんですか?」


「えぇ、最近は落ち着いてるの。総ちゃんのお陰ね」


「はは、総悟はミツバ姉さんには甘々だから〜」



来たという知らせを聞いて、すぐさま近藤さんの部屋に向かった。


ミツバ姉さんはいつもみたいに綺麗に座っていて

口元に手を当てて笑っていて、お淑やかな、お姉様って感じ。


好物は辛いものって、ちょっと変わってるけど。


少し、痩せたかな。



「Aちゃん、大きくなったのね」


「はい!いつか総悟も追い抜きますよ!」



もう身長ずっと伸びてないけど。


総悟と13.8センチ差あるけど。

チビで悪かったな。やめろ、悲しくなるだろ。



「あ、私、仕事・・・うぅん、総悟が来るまでサボっちゃお!」


「あらあら、秘密ね」


「うん!近藤さん目の前にいるけどね!」



そう言って2人、顔を近づけて笑う。


私や総悟がサボって怒るのはあのニコチン中毒だけですよ、

なんて、言いたいところだけど。


私だって知ってるんだ、2人が両片想いしてること。

総悟が、特にその事で土方さんに嫉妬してること。


でも私は、何も出来なくて

ただ、場を盛り上げようとばかして、注目されるようにしてるだけ。


いつもそう。


何も出来ないことが歯がゆい。


ミツバ姉さんのように容量が良くて、優しくて

誰にでも好かれるような人間だったら、なにか違ったのかな?とよく思う。


いつだって、私は、人を現実逃避させて

忘れさせて、今この場を私で楽しませようとすることしかできない。

それだっていい事じゃないのに。


私が、ミツバ姉さんと変わってあげられたら

その病気を、私の体が受け止めれば・・・。


そうすれば、私の体の中にあるブラックホールに全て消されて

誰も辛い気持ちにならずに済むのに。

私も死なないし。


なんて、もう、自分でもそんな現実逃避するしかないくらい、ミツバ姉さんの体は良くなさそう。



「・・・どうしたの?暗い顔、してるわ」


「なんでもないんです!総悟遅いですね!」



ミツバ編の始まり。



8、聞き込み→←6、シリアス



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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時

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