6、シリアス ページ6
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バタバタと老化を走り回る私。
向かうは局長の部屋。
「近藤さん!いる?!」
「おぉ!Aちゃん!どうした?」
「良かった。またストーカーゴリラしてんのかと思いました」
「俺だって1人の成人男性だ!いつもお妙さんの護衛はしてられない!」
「さりげなくストーカーを護衛って言い換えるのやめてくれません?
・・・それにしても珍しいですね、書類整理ですか?」
「総悟の始末書とAちゃんの始末書が回ってきてね」
「・・・私なんかやらかしたっけ」
「見回り中に総悟とやり合った被害届けが多数届いてな」
「・・・サドのせいだもん」
絶対私のみたらしタレ増し団子取るだけ取って悪口言ってきたときだ。
絶対総悟が悪い。
うんうん、と笑いながら私を見る近藤さん。
なんだかじっと見られるから、どうしたのかと首を傾げる。
「おっきくなったな、総悟を見ても思うけど
Aちゃんは、更に、精神面でも、大人になったなぁ」
近藤さんが、自分の隣をポンポンと叩くから
そこに座ると、頭を優しく撫でられた。
近藤さんに久しぶりにそうされたから、なんだかすごく嬉しくて
頬が緩む。
「昔は、まるで野良猫みたいで、なかなか懐かないし
でも、一生懸命着いてきてんのが、すごく可愛くてな」
懐かしむように目を細める近藤さんを見て
いつの間にか私の目も欲しくなってた。
「私、昔のことは思い出さないようにしてるんです。
いい思い出なんてないから。
・・・でも、近藤さんとか土方さんとか総悟との鍛錬の時間は楽しかった。
恨みとか、後悔とか、そんなんばっかじゃなくしてくれたの、紛れもなく近藤さんだよ」
えへへ、と恥ずかしくなって頭をかいた。
こういうシリアスなの似合わないんだよな。
「あの時、拾ってくれてありがとうございます」
「・・・Aちゃん、パパは嬉しいよ!嬉しい!!!彼氏なんて連れてこないでね!」
私と愛の抱擁をしようとする近藤さんの顔面に手を置いて動きを止める。
抱擁は違うじゃん。
悲しいけど、これも大人への第1歩だよね!
なんてまたよくわからんことを言って立ち上がる近藤さん。
「それじゃ、俺はAちゃんと話して勇気が出てきたよ」
「うんなんの勇気?」
「今日も、お妙さんのとこ行ってくる!」
「え?シリアス回じゃないの?ここでぶった斬る?」
清々しく入り去る近藤さんを見送る。
いや、後で迎えに行くの私・・・。
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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時