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21、大好き ページ21






姉さんは綺麗な人だった。


辛いものが大好きで、私たちが大好きだった。

総悟を、土方さんを愛してた。


ずるい、そう羨んだ時期もあった。

私の、子供の感情。


でも、そんなの忘れられるくらい、あの人に愛情を貰ってた。


私、ミツバ姉さんのこと大好き。


まぶたの裏側で、微笑む姉さんが見えた。


あぁ、姉さんは死んだんだ。

きっと、最期に挨拶しに来てくれたんだ。


そう理解した途端、意識が現へ戻って行った。



「いっ・・・まっ・・・」



痛い、眩しい、そう言いたかった。


病室か。

自分に繋がれている点滴を見て、はぁ、とため息。



「・・・姉さん」



とりあえず、姉さんがどうなったか聞きたい。


病室には、誰もいなかった。

花も、フルーツバスケットももちろんない。


私が居なくなれば、ただの病室。


ここら辺で私のあの怪我を見てくれるのは

姉さんが入院した病院くらいしかない。


ナースステーションに行こう。


ガラガラと点滴を引いて病室からそこに向かった。


すみません、沖田ミツバは・・・、沖田さんは、昨日・・・、あぁ、そうですか

私は終始笑顔で、看護師さんの方が悲しそうで。


でも、こういう時こそ笑ってしまう性分なんだ。


それより、早くて今日がお通夜ね。

よかった。


そんなに長く寝てたわけじゃないみたい。


・・・部屋、戻りたくないな。


なんだか寂しくて、購買へ向かった。

立ち読みでもしちゃおう。


そんな感じで。


なんとなくズキズキと痛み始めた足。

背中。それを無視して、1階に向かった。



「・・・あれ?・・・旦那?」



雑誌のある場所に行くと、見慣れた銀髪。


あれ?って首を傾げて声をかけると

その人は私の登場なんて予想していなかったらしく、目を見開いた。



「おはようございます旦那。立ち読みはダメですよ」



しようとしてたけど。



「どうしたんですか?糖尿病の定期検診ですか?」


「やめろ」



あはは、と笑って旦那の元に行こうとすると、それを制止して旦那が来る。


妙な旦那にさらに首を傾げた。



「・・・まず、なんで歩いてんだ、車椅子あったろ」


「・・・あった?」


「その足の包帯を見て、どうやって歩こうって思えんだ・・・。

車椅子持ってくるから、絶対動くなよ」



ここの医者は何してんだったく、なんてブツブツ言いながら遠ざかる背中。


なんだ・・・?




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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時

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