検索窓
今日:40 hit、昨日:18 hit、合計:202,031 hit

11、取り合い ページ11






お願い旦那っ!

という念を込めてちらりと旦那を見る。


そんな私を見下す旦那。



「まぁ、いいんじゃねぇの、大好きな姉さんといてぇだろうし。

俺も話があった。大事な妹はちゃんと俺が送ってく」



もう面倒臭いから帰れ、とでも言うふうに

土方さんに向かって手を払う。


土方さんはもう何も言う気になれなかったのか、

総悟の視線から逃げるためか、

アフロを連れて歩いて行った。ミツバ姉さんをちらりと見て。



「A、俺が送ってく」



だから少し待ってろ、という総悟。


旦那と帰るって言ったろーが。

なんて聞き分けが悪いんだ。



「いや、旦那と帰るって」


「なんでィ、旦那と密会かいィ?それとも土方についての相談かィ?」


「は?何言ってんの、意味わかんない」


「どーせお前も、アイツのこと考えてんだ」



どこか悲しい目で私を睨んで

ミツバ姉さんの元に行く総悟。


何言ってんの、まだ、そんなこと言ってんの?


いや、分かってた。


総悟は土方さんと仲が悪いんじゃない。

ただ、互いに違うところが多すぎる。


総悟が本気で土方さんを嫌いならとっくに殺してる。

土方さんが総悟を嫌いならとっくに総悟はここにいない。


ある意味で、兄弟喧嘩なんだよな。


ただ、土方さんは大人らしすぎて

総悟はその態度に腹を立てて、嫉妬して。


でも、互いの強さを、存在の大きさを、必要性を分かってる。


だからずっとこうやって居られた。



「・・・歩くか、どうせ会う気ないんだろ」


「・・・うん、ありがとう旦那」



蔵場には、旦那が一言言ってくれた。


私は、目も合わせられなかった。この人は分かってるんだ。

ミツバ姉さんがどれだけ私たちに必要な人か。


こいつを切らないといけないのに

それは、ミツバ姉さんを悲しませることになることを、分かってる。


寒い。

外は思ってたより寒くて、暗くて。



「でけぇ喧嘩してるみてぇだな、お前の兄貴たちは」


「・・・今に始まったことじゃないんです。ミツバ姉さんは愛されてるから。

私も、嫉妬したこと沢山ありますしね。でも、あの人は私の親みたいなもんでもあるし。


何よりあれですよ?誰も恨めないし憎めない。

そんな人、取り合いされるに決まってる。」


「取り合い、ね」


「土方さんは今でもミツバ姉さんが好きなんです、きっと。

総悟の家族はミツバ姉さんしかいないんです、ずっと」



それでも2人は、あの人から離れたんです。




12、背負うもの→←10、成り行き



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (88 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
391人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 真選組 , 紅一点
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。