〈探偵チームkz事件ノート〉~出会いの物語は知っている~

第26話~皆の推理　３~ ページ30

(人1)視点

上杉「学校名も書けよ。秀明のヤツならクラス名も」

はじめのうちは、私達みんながそれを見ていたけれど、やがて誰も見なくなってしまった。

だって、『あまりにも』多かったから……。

小塚さんが、感心したようにうなずいていた。

小塚「若武……こんなに恨まれてて、今までよく生きてこれたよなぁ……」

若武さんはそれに答えず、キレイにその表を仕上げると、満足そうに眺めてからビリッと破り、私達の真ん中においた。

若武「こんなもんだと思うな」

表の中には、若武さんの家族の名前を入っていた。

若武さんいわく……

お母さん→性格が過激なので、若武さんが乗ってきているのが分かれば起こってそれを隠すぐらいはしそうだから

弟→若武さんと同じマウンテン・バイクを欲しがっていたから

お父さん→自転車より、自分の新しいゴルフバッグを買ってほしいと言ったが買ってもらえなかったから

…………だそうです。

正直ちょっと可哀想かな…。

若武「怪しいといえば、怪しい」

キッパリと言った若武さんに、小塚さんがため息をついた。

小塚「お前んとこの家庭って、不毛だよなぁ…」

その頭をコンとこづいた。

若武「捜査に感情を入れるなってさっき行ったぞ！俺のマウンテン・バイクは家庭を崩壊させる程の価値があるんだ！！」

若武さんは立ち上がり、黒板のそばにやってきてチョークを持った。

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