67 夢 ページ35
*
ーーああ、またこの夢か。
母「サクヤも年頃の女………そろそろ結婚して、コノハナ家の後継を産まなくてはね」
父「なに、心配することはない。父君と母君で相手は見繕ってある」
相手はかなり上の位の貴族だった。
結婚すれば、特権や地位が得られる。
これで家は安泰。
だから家のために結婚しろ。
「何故………いきなり呼んで、そんなこと」
母「いきなり?言ったでしょう、『我等はいつもそなたを思っている』と。貴女と私たちは離れていることなんてないのよ」
この時、両親に会ったのは2年ぶりだった。
2年ぶりに会い、いきなり子供を産め、といわれたのだ。
「私は、まだ結婚なぞ」
父君「何か文句があるのか?」
「………あるに決まっているでしょう。私の人生くらい、私が決めます」
母君「ふざけないで!!」
父君「貴様………!子は親に従うものだ!そのようなことを言ってはならぬ!」
母君「これは貴女の義務なのよ」
義 務?
母君「貴女は、我等の期待を裏切った………だから、我等に従わなければならぬ」
父君「そうだ。やっとこうして、お前が我等の役に立てるのだ。嬉しいだろう?」
頭の芯が痺れて、考えが、浮かばない。
身体中の皮が縮こまるような、気持ち悪い鳥肌。
何かが喉に迫り上がるような、吐き気。
人はこの感情を、嫌悪という。
「気持ち悪い」
思わず、口からこぼれ落ちていた。
その時にはもう、両親の顔は見えなかった。
嫌悪は、
殺したい、という衝動に変わっていた。
その場で殺すことは出来なかった。
襲いかかった私は、警備の奴らに止められ、謹慎を命じられた。
自邸に向かう途中、盗賊さんのいる森が見えて、何かが心にいっぱい溢れた。
呼応するかのように、目からも涙が溢れていた。
気付いた時には、私は森の中を走っていて。
でも、盗賊さんはいなかった。
「そう」
「ここには」
「何もないんだ」
私は、ここにいたくない。
いや、いる必要がない。
私は、自由になりたい。
「そうだ」
「欲しいものは、奪い取る」
そうでしょう?
盗賊さん。
*
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藤原黎明 - ごめんなさい!コメント気が付いてませんでした……!探しにくくてすみません!でも、読んでいただけて嬉しいです! (2018年8月31日 17時) (レス) id: 50a7dd275d (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - すみません。もう少し調べてみたら見れました!本当にすみません(T-T) (2018年8月10日 11時) (レス) id: ecaf096ebb (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - あの、作品の一番始めといいますか第一話?が見れません。どうしたら見れますか? (2018年8月10日 11時) (レス) id: ecaf096ebb (このIDを非表示/違反報告)
フェイたん - とても面白いです!夢主ちゃん可愛すぎ!これからもお体に気を付けて頑張って下さい! (2018年1月12日 17時) (レス) id: 3affdfaf3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤原 黎明 | 作成日時:2017年12月20日 0時