第百九十五話『カップケェキ』 ページ38
『……出来た』
エ「凄いわ!アクタガワ!」
たくさんのカップケェキを前にエリスは
目を輝かせながら嬉しそうに手を叩く。
『……エリス嬢にも手伝っていただきましたから
とても美味しそうなケェキが出来ました。』
チョコレート味にレアチーズ味
苺にブルーベリーなど種類は様々だ。
エ「一緒に食べましょう!」
『えっ』
エ「……食べてくれないの?」
『食べます』
潤んだ目で上目遣い。
そんな可愛く云われたら食べるとしか選択はない。
エ「……!これ美味しいわ!」
『そちらは蜂蜜バターでございます』
パクパクと美味しそうに頬張る少女に
作った甲斐があったものだと嬉しくなる。
エ「ほら、アクタガワも食べて!」
『は、はい』
目の前にあったバナナカスタードケェキを一口食べる。
うん、良かった中々の出来だ。
エ「美味しいわね」
『……えぇ、とても』
非常に穏やかな午後を過ごした。
───とある場所では悲惨な事が起こっているとは知らずに
━━━━━━
━━━
━
森「おや、これはいい匂いだ」
エ「リンタロウ、もう帰ってきたの」
『お帰りなさいませ、首領』
森「只今、ほらお土産だよ。エリスちゃんがアイスクリームを食べたいと云っていたから購って」
エ「そんなこと云ってない!」
森はゆるゆるな顔でエリスに詰め寄るがエリスは反抗する。
『……アイスクリームをケェキの上に乗せてみては?』
エ「それがいいわ!美味しそう!」
森「助かったよ〜芥川君」
芥川は静かに微笑んで硝子張りの壁から外を見る。
日が傾き夕陽が最上階の部屋を赤く照らす。
夕陽を見てふと赤髪の彼を思い出す。
彼の人は今、どうしているのだろうか?
────バンッ!
不意に勢い良く扉が開かれた。
芥川は瞬時に首領の前に立ち、羅生門を揺らめかせる。
しかし這入ってきた人物に芥川は目を丸くさせた。
『……太宰さん?』
太「……やはり、姿が見えないと思ったら此処に居たんだね」
一瞬、柔らかい笑みを浮かべた太宰だったが直ぐに執務机の前へ
歩いて行った。
そこには森が腰掛けていた。
森「おや太宰君。執務室に君のほうから来るとは珍しいなあ。
紅茶を用意させよう。そして芥川君が作ったケェキでも……」
太「首領」
太宰が森の言葉を遮り云った。
太「私が何の為にここに来たか、ご存知なのでは?」
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アニヲタ(プロフ) - 少し遅くなりましたが最近(?)20巻発売されましたね!私はもう…ショックが酷くて読んだ後一週間位病んでました笑更新再開ずっと気長に待ってます!無理の無いご自分のペースで書いてくださいね…!ずっとずっと待ってます! (2021年1月11日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» いえいえ、リクがありましたら可能な限り受け付けます。お時間が掛かるかもしれませんが、、、でっぷるは映画で一度見たきりなのであまり詳しく覚えてないです、、小説は友人に貸して帰ってこないんですよ笑 (2020年7月30日 3時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 厭々!!!リク受けて下さるだけでも十分過ぎるのにぃ…マジで有難う御座います…!実は私もでっぷる編全く、これっぽちも知らんのですよねぇ...。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとうございます。でっぷる編ですが今、手元に小説がない状況でして書くことが出来ないんです、申し訳ないです、、、リク希望ありがとうございます。時間が掛かるかもしれませんが、受付致します。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - あのぅ…でっぷる編書くご予定はありますでしょうか…?若し無ければリクをしたいのですが… (2020年7月28日 14時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2020年3月16日 21時