漆黒の狗は黒の時代でも困っていたそうです5【文スト】【芥川成り代わり】

第百八十話『今回バカリハ期待大』 ページ23

暫くして織田は二階へ上がった｡
あとは子ども達の実力次第だ｡上手くいって欲しい｡




太｢やぁ､芥川君！何食べてるの？｣




食べていたご飯が喉に詰まった｡
ゲホゲホと咳き込む芥川を心配して太宰は彼女の背中を摩る｡




『……ゴホッ､何故……貴方が？』



太｢此処に来たら君達に逢えると思ってね｡織田作は？｣



『たった今､二階へ』




そうか〜と鼻歌を歌いながら芥川の隣に座り咖喱を頼んだ｡
呑気に此方を見詰める幹部の顔に水をぶっ掛けたいのを我慢していた時だ､上から物凄い音が聞こえた｡




太｢……派手にやってるね｣



『今回ばかりは期待大です｡きっとうまくいきますよ』



太｢君が考えたのかい？｣



『……はい､楽しかったです』




少し嬉しそうに呟く芥川に太宰は自然と目尻が下がる｡
太宰の元に届いた咖喱を見て芥川は少し分厚い封筒を店主に渡す｡




店主｢ちょ､これは受け取れないよ｣



『咖喱のお代だ……子ども達へ玩具を購ってあげてくれ』




辛い辛いと云いながら咖喱を食べる太宰を見てハンカチを渡す｡
彼の額から汗がにじみでていたのだ｡




太｢君が辛いのが好きだとは思わなかったよ｣



『……辛いものは苦手ですが､ここの咖喱は特別なんです』




携帯を見てぺこりと頭を下げる｡
芥川は仕事の為､早くに店を出たのだった｡









.









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『……慎重に運べ､太宰幹部が戻られる前に決して逃がすな』




黒服に指示をして自分も地下室へと足を運ぶ｡
気を失ったミミックの兵士はマフィアの仕掛けた罠に
まんまと掛かった｡




『……奥歯の毒薬と隠し銃も外せ｡それと────』




拷問器具を手に取って考える｡

拷問入門編は姐さんに教えて貰い
拷問実践編は太宰に叩き込まれた｡


だから太宰が来る前に少しは情報を聞き出して
彼の手間を掛けないようにしておきたい｡




『……ふむ､普通の脅しや拷問をしてもそう簡単にはいきそうに』



｢うわぁぁぁぁぁ！！｣




ハッと振り向いた時には状況がうまく飲み込めなかった｡
聞き慣れた銃声二発とミミックの尖兵を
取り押さえようとする黒服が目に映った｡




『……っ､伏せろ！！』




黒服を襲うミミック兵の腕目掛けて羅生門を発動させる｡
銃を持っていた腕を拘束し少しだけほっとした時だ､
ミミック兵の空いていた片方の手が地面に落ちた銃を
瞬時に拾った────




────パンッ！！！




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