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第四十五話【好きだよ】 ページ46

「今夜にでも食事(ディナー)に行かないかい?」



『今夜かぁ』



「何か予定が?」



『否、無いよ』




予定は無いが、今日ではなく明日にして欲しい。
今夜はゲェムをして夜更かしする予定なのだから。




「今夜が駄目な理由は?」



『……ご想像にお任せします』



「ん〜Aの事だからゲェムをしたいとか?」



『中たり!流石は太宰君、正解した君には飴をあげよう!』



「飴だけかい?」




そう云って互いに笑った。
この時間が本当に久し振りでとても温かい。




「今度、逢引しないかい?」



『逢引?太宰君と?』



「うん、一日だけ。二人きりで遊びに行きたい」




それはとても楽しそうだ。
久し振りに太宰君とお出掛けなんて楽しみ過ぎて夜寝れなくなりそう。




『いいよ!いつにする?』



「ふふっ、私はいつでも大丈夫。君の都合の良い日に合わせるよ」



『えっ、でも太宰君の方が仕事が……』



「大丈夫、そこのところはなんとかなる」



『判った。じゃあまた連絡するね』




太宰君は嬉しそうに微笑んで私の頭に接吻(キス)を落とす。
急に恥ずかしくなって太宰君を押すが抱き締める力は緩まない。




『……離してほしいな』



「えー」



『……逢引、取り消すよ』



「よし離すよ」




強く抱き締められ、ゆっくりと温もりが消えた。
名残惜しいとか思ったのは内緒だ。




『今日も云ってみようかな』



「今日も?」



『太宰君、武装探偵社に来ない?』



「……君からのお誘いはとても嬉しい。
けれどね、それだけは応えられないよ」




案の定断られたが太宰君の顔はなんだか嬉しそうな顔をしていた

……でも、私は────




『だざ……』



「君は私の光だ。

私が失いそうになったものを全て掬って私を照らしてくれた。

本当に感謝してる。

そして私は必ず君の味方であることを誓うよ。

君を傷付ける者は誰であろうと許さない。

私は君を一生守り続ける」




ドクンっと胸が鳴った。
彼の目があまりにも真っ直ぐで、光が篭っていて、見とれた。




『……ありがと。太宰君にそう云って貰えると嬉しい』




そう云うと彼は優しい目をした。




「ねぇ、A」



『なぁに?』



「……好きだよ」




そう云って私の手を取り接吻(キス)をする。
一気に顔を熱が集まったのが判った。




「返事はいくらでも待つよ。じゃあね」




太宰君は早々に立ち去った。
私はその場で動けずにいた。


.

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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

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