うちの子達で魔王パロ

探索開始 ページ37

迷宮に入り、探索を開始した一同。

｢…私も噂に聞いたことだけでしたが…｣

周囲の壁を眺めながらリーファが呟いた。

｢…意外と綺麗なんですね｣
｢ぐぁ｣
｢…それは肯定なのか…？｣

だがリーファの言う通り、迷宮内部は地面深くに隠れていたとは思えないほど綺麗だ。
壁も、床も。
灯された松明も新しい。

｢…誰かが住んでるのか…？｣

探索するにつれ、生活の跡が次々と見つかってくる。
薪の跡や読まれた跡のある放ったらかしの本、何かやたら攻撃された跡のあるボロボロの岩。

｢…探索し甲斐がありそうだな｣
｢だな｣
｢探しましょう｣
｢うん…｣

手分けして探索を開始する。

広い迷宮の中、バラけて探すのが危険なことは全員が分かりきっている。

だから。

｢あっ、草薙さん…｣
｢おう、そっちはどうだ？｣
｢まずまず…かな｣
｢そうか…｣

瞬間移動ですぐに合流できるよう東矢が配置されたのだ。

最も、中々成果は出せていない。

｢うーん、誰もいねぇな…｣
｢もういないのか…？｣

どうやら跡はあっても肝心のその相手が見当たらないらしい。

｢もういないのかな…｣
｢かもな…｣
｢そろそろ厳しそうですかね…？｣
｢ぐぅ…｣

もう既に日は沈みかけている。
そろそろ帰った方が良さそうだ。

｢…今日は切り上げるか。｣
｢だね…｣

ひとまず今日は戻ることにした一同は、東矢の能力で迷宮を後にしたのだった。

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