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血の巨人 ページ32

「…!」

それは低い低い唸り声をあげたかと思えば、まだ届かないにも関わらずその腕を振るう。
鈍重なその動作とは裏腹に、遠心力により凄まじい速度を発生させたその豪腕から、大量の赤黒い液体が飛んだ。

「っ、うおっ!」
「遠距離攻撃もあるのか…!」

思わず回避行動を取った東矢を、彼自身ごとマールドがバリアで守る。
それは浴びせられたそれを受け止めるが、すぐに腐食されて溶け落ちてしまった。

「危ねぇ…!」
「うわ…早く倒さないと、だな…!」

早急に決着をつけなければ、被害は凄まじいことになってしまう。

それだけは絶対に避けたかった。

「くっ、やるしかねぇ!」

東矢が星形弾を連写し、その巨体に撃ち込む。
それは確かに巨人を怯ませたが、すぐに再生されてしまう。

「クソ…キッツいな…!」
「一発で消し飛ばす、それしかないな…あるいは…」

炎を飛ばし、光の矢を大量に展開するマールドが、意味深長に呟いた。

どういうことだと聞き返す間も無く、再びその腕が振るわれ全てを蝕む汚れた血が飛んだ。

「っ、フール!」
「うん、【大地の咆哮】」

追い付いてきたフールがその手に持った大斧で大地を叩き割れば、そこから地層が迫り上がり、液体を防ぐ。

立て続けにそれを斧で殴れば、それらは岩石の槍となって一直線に飛んでいき血の体を貫通した。

それはすぐに再生されるが、それに手間取ったゴーレムの足が遅くなった。

「よーしよくやった!」
「ありがとー」

いつも通りに笑うフール。
しかしその目は一切笑っておらず、どこかかなりの気迫を感じる。

立て続けにマールドが稲妻を放ち、血を焼いていく。
直接のダメージにはならないが、少しずつ再生の勢いが弱まってきていた。

「…」

しかし、東矢らの顔は浮かない。

何故なら…








「…!!!」

魔物は弱った時にこそ最大の力を発揮する、そう体に染み付いていたからであった。

最後まで、落ち着いて→←初の共闘



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設定タグ:オリキャラ , 魔王パロ   
作品ジャンル:ギャグ, オリジナル作品
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クロロフィル@リーフィア狂/あるりーす(プロフ) - 朱欄さん» ありがとうございます!これからも更新頑張りますね! (2023年1月14日 20時) (レス) id: c1253398fc (このIDを非表示/違反報告)
朱欄(プロフ) - Banana is Kami(作品最高です!キャラデザがすごく好きです!特にワイドちゃんがかわいい←あ、星押しときますn(() (2023年1月14日 20時) (レス) @page3 id: efb6a7397d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年12月29日 21時

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